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夢見の悪い幻想録  作者: ごまみりん
32/85

花言葉

[在りし日の思い出と共に]



[会議]は呆気無い終わり方をした。


結局、各勢力が警備レベルを引き上げメディスン・メランコリーを捜索する事になった。


レミリア・スカーレットは面子を潰され、十六夜咲夜は僕をずっと睨んでいた。自業自得だろうに。


僕はというと、地底代表代理の星熊勇義からケンカしようだの殺し合おうだの甚だ迷惑なラブコールを受け、逃げ切ったと思ったら騒がしい烏天狗から取材させてくれと付きまとわれ、偶然通りかかった藤原妹紅に烏天狗を焼き鳥にしてもらい、藤原妹紅と一服している。


「はあ………アレは何だ?戦闘狂とジャーナリストの皮を被ったストーカー……」


「意外だな……お前でも辟易するもんなんだな」


「藤原………お前僕を何だと思ってる?」


「狂人、腐れ縁」


この女、殺してやろうかと思った。蓬莱人特有のジョークだ。



「私は風見幽香を脅迫した奴等をあたる。お前はどうする?」


「僕は風見幽香本人をあたる。裏にいる奴等はどうとでもなるけど風見幽香本人は厳しいからな」


「手が必要なら連絡してくれ。私はもう行く。慧音を人里に送らなきゃならない」


「そうか、じゃあ」


藤原妹紅と上白沢慧音が紅魔館を出るのを見送ったと同時に八雲紫と八雲藍が来た。


「亮さん私達も帰るわよ」


「亮、帰るぞー」


八雲紫が開いたスキマを潜り、帰宅する。















縁側。満月。月明かりに照らされる僕と八雲藍。


「今日はやり過ぎたんじゃないか?」


「そんな事無いよ。紫さんと藍さんに殺意が向いたんだ。護衛としては当然の反応だと思うけどね」


アイリッシュウィスキー、ジェムソンを口に運ぶ。淡麗な味わいが広がる。


「それにしても風見幽香が……」

「藍さんは会った事あるの?」


「あぁ、大分昔の話だ。本当に花が好きな妖怪だった。人里の花屋で会ったんだがな、花を見繕ってくれたよ」


「へえ………何の花を?」


「カトレアだった」


「優雅な女性 魔力……」


カトレアの花言葉。


「花言葉詳しいのか?」


「昔ね……花言葉に詳しい人が近くにいたんだ。その人から沢山教えて貰ったんだ………」


「…………そうか」


「その人は…………カトレアがよく似合う人だったよ」


「そうか……」


「今思い出しても綺麗な人だったよ………」



藍さんが静かに僕を抱き締めた。あの人のように




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