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夢見の悪い幻想録  作者: ごまみりん
30/85

会場

[まさかの再会]



目に悪い。第一印象はそれだった。目に悪い赤。


僕は紅魔館の門前にいた。[会議]に出席する八雲紫の護衛の為に八雲藍と同行している。目の前には紅魔館と呼ばれる趣味の悪い館が佇む。


「八雲紫様と八雲藍様、佐山亮様ですね?」


門前にいた女性が話しかけてきた。門番だろうか。


「どうぞお通りください。館の中に咲夜さんがいます」


「どうもありがとう」


八雲紫はそれだけ言うとそそくさと門をくぐった。



扉を開けると、いつか寺子屋で会ったメイドがいた。


「お待ちしておりました。こちらへ…」


僕たちは十六夜咲夜の後ろを着いていく。


「他の参加者は?」


「もう皆様会場にいらっしゃいます……どうぞ」


十六夜咲夜が扉を開く。そこには巨大な円卓があった。


「遅いわよ。紫」


紅白の露出の多い巫女装束を着た女が不満を顕にしていた。


「あら、ごめんなさい霊夢」


博麗霊夢。幻想郷で圧倒的な力を持つ絶対の仲裁者。何人たりとも彼女に届く物はいないと言われ、異変の解決や妖怪退治、結界の管理を生業とする博麗神社の巫女。こんなやさぐれた女だとは思わなかった。


「まぁまぁ、霊夢さん。落ち着きましょう?紫さんもわざと遅れた訳じゃないんですから…」


博麗霊夢をなだめるのは命蓮寺の聖白蓮。彼女の後ろには雲居一輪が控えている。


よく見ればこの円卓、見知った顔が多々いる。


この[会議]に参加している勢力は八雲一家、博麗神社、命蓮寺、守矢神社、妖怪の山、白玉楼、永遠亭、地底、紅魔館、人里の警備部隊、商工会。幾つかの勢力の長には顔を知っている者もいる。



「また会ったな」


声を掛けられた方を見て、露骨に嫌な顔をしてしまった。


「………そんなに私が嫌か?」


「アンタとは合わないからだよ……藤原妹紅…」


僕と同じ髪、同じ目をした女。藤原妹紅は笑顔でそこにいた。


「確かに合わないな。けど挨拶するのも嫌か?」


「違う」


「じゃあ何だ?」


「アンタ退院祝いにアメスピくれたろ?僕はマルボロが好きなんだ……」


「………覚えておくよ」


他愛も無い雑談をしていると扉を開く音がした。


「待たせてしまって、すまないわね………」


不遜な態度の少女。吸血鬼レミリア・スカーレット。[会議]を召集した本人は会場を見渡した。


「全員来てるわね……」








「では[会議]を始めるわ……」

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