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夢見の悪い幻想録  作者: ごまみりん
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異邦人・前編[コラボ回]

今回は狼天狗先生の[東方人獣妖鬼]とのコラボ回です。


前編と後編に別れております。


狼天狗先生

幻真さん


コラボしてくださりありがとうございます。


では、どうぞ…



藤原妹紅との戦闘から一ヶ月が経つ。僕は今、魔法の森にいる。


M40A5のスコープ越しの風景が歪んで見える。


「まさか、蓬莱人になってから初めての仕事がこんな仕事とはね…」


にとりの声がインカムから聞こえる。


「そうだね……まあ、何が出てきても構わない。どうせ死ねないんだ…」


「それもそうだね。もうそろそろ予定時刻だ。作戦を確認するよ。紫…」


インカム越しの声がにとりから八雲紫に変わる。


「亮さん。先程説明したけど、もう一度確認するわ。2時間前、博麗大結界に歪みが発生。結界の修復には博麗の巫女と藍が出たわ。それに伴い魔法の森にも空間の歪みが発生したのよ。あなたが見ているのがソレよ。あなたには空間の歪みの監視、異常があった際の対応をお願いするわ。空間の歪みは異次元に繋がっている可能性があるわ。もし何か出てきたら、あなたの裁量で対応して頂戴」

「わかりました」


「予定時刻よ。状況を開始して」


通信を切り、アサルトスーツの環境追従迷彩を起動させる。僕の身体が周囲の景色と同化する。


狙撃ポイントから空間の歪みまでの距離は870メートル。M40A5にはサプレッサーが装備されている。歪みから何かが出てきても気付かれる事無く始末できる。全て僕の裁量なのだから。



監視を開始してから5分程経った頃。動きがあった。



空間の歪みが大きく胎動するように動いた。


「にとり………何か来る」


セーフティを解除し引き金に指を掛ける。


歪みは尚も蠢き続ける。まるで何かを吐き出そうとするかのように。


そして、その[何か]はすぐに現れた。


空間の歪みが閉じ、抉れた地面の上に一人の男が立っていた。


ジーンズに青い服。腰には帯刀している。


「男が一人出てきた。射殺する」


男の頭を狙う。何時も通り十字の交差する点を頭に合わせる。引き金に掛けた指を手前に引く。


パシュン


サプレッサーにより荒々しさを奪われた銃声と共に7.62ミリ魔術弾が870メートル先の男の頭を撃ち抜く。





筈だった。







信じられない事が起きた。男は生きていた。狙いを外した訳じゃなかった。確実に頭へ弾丸は向かった。だが生きている。


斬ったのだ。男は弾丸を斬ったのだ。腰に帯刀していた70センチ程の刀で斬った。


幸い、環境追従迷彩を起動させていた為に正確な位置を特定されずにいるが……


「失敗だ……プランを変更する」

「失敗!?何があったの!?」


にとりが通信を開く。


「狙撃に失敗した……。弾丸を斬った。あれは半分人間じゃないね……」


「プランを変更って……どうするつもりだい?」


「白兵戦に持ち込む。と言っても蜂の巣にするだけだよ。格闘じゃ勝てる気がしない………」


あんな化け物相手に近接格闘なんて冗談じゃない。刀との戦闘なんて経験が無い。対応出来なくは無いが、あんな常人離れした反射神経の持ち主じゃ分が悪い。


スキマポケットからサプレッサーを装備したHK416を出す。男は未だ僕の位置を掴めないようだ。


僕は男を狙い発砲した。しかし、

「!?」


炎を纏った結界のような物で防がれてしまう。


「そこか!!」


<焔雷 ボルケーノサンダー>

男が唱えると僕に向かい巨大なレーザーのような物が襲いかかる。横に避けるが、爆風で環境追従迷彩が剥がれ僕の姿が顕になる。



「やっと見つけたぜ…。お前何者だ?」


「アンタに答える義理は無い」


「そうかよ…。でもな俺には聞きたい事があるんだ。答えてもらうぜ。此処は何処だ?お前は誰だ?何故俺を攻撃した?」


「何度も言わせないでくれ。答える義理は無い」


「じゃあ力ずくで喋って貰うぜ……」


男が言うと同時に水色の龍が無数に現れ、僕に襲いかかる。


スキマポケットからナイフとP226を出す。

向かってくる龍を撃ち落としつつ、ナイフで切る。


<マグマ熱砲>


また巨大なレーザーを放ってきた。間一髪龍達の攻撃を凌ぎ、木の枝に仕込みワイヤーを引っ掛け回避する。


「やっぱり分が悪いな……」


高火力の攻撃に圧倒的な反射神経。藤原妹紅並みに苦手かもしれない。


そんな事を考えていると


<斬符 炎風斬>


一番厄介な近接格闘になった。斬撃をナイフで受けるが一撃が重い。P226で足を撃ち抜こうとするが上手くかわされる。


一瞬の隙を見つけ、男を蹴り飛ばし距離を取る。横に走りながらP226で牽制する。男も弾丸を斬りながら龍を放ってくる。


「態勢を立て直そう……」


このまま、相手のペースで戦闘を続けてもメリットが無い。なら再び姿を隠し、再度奇襲を仕掛けるべきだろう。


スキマポケットからグレネードを出し男に投げる。男がグレネードを斬る前にP226でグレネードを撃ち爆発させる。衝撃で土煙が舞い上がる。それに乗じて、環境追従迷彩を起動させようとするが



ドスン



心臓に50センチ程の短刀が突き刺さる。


「さて、死ぬ前に今度こそ答えてもらうぜ。此処は何処だ?」


男が僕の前に立つ。だが男は知らない。





僕が蓬莱人<死を奪われている>という事を。





僕は男の手を掴む。


「!?」


「[侵食]…………」


藤原妹紅と似ていて、藤原妹紅並みに苦手な相手なら藤原妹紅と同じ対処法がある程度使える。この男は藤原妹紅のように不死じゃない。そして藤原妹紅の時とは違い僕には止めを刺しきるだけの力がある。


「終わりだよ………」


男から凄まじい力が溢れる。相討ち覚悟かと思った、その時



「そこまでよ」




八雲紫がスキマから現れた。



「「紫さん…??」」


男と声がハモった。


「「は………?」」


またハモった。


「亮さん、彼は敵では無いわ」


僕と男が困惑していると


「事情を説明するわ。ついてらっしゃい……」


八雲紫がスキマを開けた。

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