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孤独詩  作者: めけめけ
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39/52

キッチン

孤独はいつも突然やってくる

不意の呼び出しに

予感めいたものを携えて

あなたと遅めのランチを食べているうちに

いつの間にかお酒の量が増えてくる

トワイライトに誘われて

蜜を求める蜂のように

花咲く泉を飛び回って

たどり着いたその場所は

いつものキッチン


冷蔵庫は宝箱

錬金術師が腕をふるい

安物のワインをおいしくさせる

夢を語るわけでもなく

恋を夢見るわけでもなく

戯れに言葉を交わすだけ

タバコの煙

くたびれた換気扇

張り替えたばかりの壁に寄りかかり

どうしようもない距離感を

お互いの定規で測りあう


ふざけ合うでもなく

ふさぎこむわけでもなく

昔話に花が咲いたとしても

ほほを伝わるその涙のわけは

僕なんかじゃないんだ



触れ合うことに

予感めいたものを携えて

目をあわさずに話し続けるあなたは

いつもよりもお酒の量が過ぎているのか

ミッドナイトを置き去りに

密であることもためらわず

沈黙も呼吸のよう

小さなテーブルが愛しい

いつものキッチン


美しい音色のワイングラス

ささやかな宴を彩り

安物のワインを引き立たせる

未来を語るわけでもなく

語るべき未来を探すでもなく

戯れに言葉を交わすだけ

タバコの煙

床に座り込む二人

触れ合う肩のぬくもりも

どうしようもない距離感で

あっというまに冷めていく


寄り添うわけでもなく

支えあうわけでもなく

傷つけあうことだけを恐れては

肌に差し込む渇きを憂う

僕だけじゃないんだろう


たどり着いたその場所は

いつものキッチン

そこから先には進めない

たどり着いたその場所は

いつものキッチン

その先には進まないで

たどり着けたその場所は

いつものキッチン

やがて朝が来る

始発電車の音

正確に時を告げる

ささやかな宴の終わりを


またここで会えるかな

予感めいたものを携えて

さよならのキスをすることもなく


じゃあね、またね


でもあなたから帰ってきた返事は

さようなら

お元気で


僕はまた孤独とともに朝を迎え

あなたのキッチンに思いをはせる

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