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孤独詩  作者: めけめけ
16/52

"LOVE & PEACE"を探して


LOVE & PEACEという言葉を

ご存知でしょうか?

それは古くて懐かしくて、夢物語でしょうか?

それが新しくてかっこよくて、そばにあったとき

若者たちは大人たちと戦っていたんでしょうか?


LOVE & PEACEはどこにあるのか

ご存じでしょうか?

それは近くのコンビニあたりで、売っていますか?

それをネットで検索したら、画面の隅っこに

広告がポップアップされて、クリックすればいいのですか?


LOVE & PEACEは置いていますかと

店員に尋ねたら

バイトのお姉さんが両切り煙草とコンドームを

手に取ってにこやかに差し出してくれたので

僕は彼女に一目ぼれ、愛の詩を作ることにしました


LOVE & PEACEというタイトルの

詩ができました

それを手紙に書き記して、封筒に入れ

コンビニのお姉さんに”受け取ってほしい”と差し出すと

82円になりますと、切手を出してくれた

僕は仕方なしにそれを受け取り、ポストに投函しました


LOVE & PEACEというタイトルの

詩に曲をつけて

場末なバーでギター片手に歌い始めたら

コンビニのお姉さんが男の人と店に現れた

僕は仕方なしにそれを受け入れ、愛は終わりました


LOVE & PEACEというタイトルの

詩を唄っていたら

独りの男が僕に近づき、こうつぶやきました

LOVE & PEACEは夢物語、若者は負けたと

僕は仕方なしにそれを受け止め、歌うのを止めました


この世界に平和などないということを僕らは知っている

新聞の記事

テレビのニュース

コメンテーター


あの時代にすべてが終わったことを僕らは知っている

学生運動

ウッドストック

アビーロード


右も左もわからない

西も東も関係ない

北は寒いし南は暑い

黒はどす黒い

白は白々しい

青は青ざめている


アイデンティティに目覚めた愛は素直な気持ちを偽れない

僕は君を守りたい

なぜならずっと一緒にいたいから

僕は君を愛している

そして君の家族と、その友達を愛するだろう

君が住むこの街

僕と君が出会った場所

僕らの生まれ育ったこの国を愛すでしょう

見慣れた風景がいつもと違って見えてくる

そう、それは君と出会ったからなのさ


この世にストーカーが生まれたとき

ラブレターは脅迫状になった

日付のかいていない報告書が

怪文書になったように


昨日正しかったことが

今日も正しいとは限らない

だから、せめてもう一度、あの店で歌おうと足を運ぶ

店の入り口に手書きの張り紙が貼ってある

”しばらく店を休みます”

なじみの客が僕を見つけて声を掛けてくれた

何かの通知が著作権管理団体から来ていたらしいと


仕方がないので部屋に帰ってテレビをつける

ニュース番組に見たことのある顔が映っている

それは”LOVE & PEACEは夢物語”と語った男によく似ていた

彼は今朝、反社会的な計画を企てた疑いで逮捕されたという


昨日の夜のことを思い出す

男は言う

1969年以降のワインで育った奴には”LOVE & PEACE”はわからないだろうと

僕は言う

去年のワインの不出来を嘆くより、これから植える葡萄の種の話がしたい

男は僕の両切り煙草を吸いながら

それは俺の仕事じゃないさとビールを飲み干した



"LOVE & PEACE"を探している

君の代わりはいないというのに

12月8日のニューヨーク


"LOVE & PEACE"を探している

君なしにはあり得ないのに

5月2日の東京で


"LOVE & PEACE"を探している

両切り煙草をふかしながら

"LOVE & PEACE"を探している

財布の中のコンドーム







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