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第百話 天界へのプロローグ




凛宸(りんしん)瑤心(ようしん)が人間界での歴業(れきごう)を終えて、無事に天界に戻って来た。


人間界での波乱万丈な日常と違い、これからは穏やかな日々が過ぎて行くものばかりだと…そう思っていた。







しかし凛宸は、“皇太子煊王李煌(けんおうりこう)”としての記憶を残したまま、天界に戻ってきてしまったのだ。


凛宸も瑤心も、司命簿葉(しめいぼよう)の通りの人生を全うした。


瑤心である凌雪(りょうせつ)を愛し、その凌雪を失う事で悲しみのあまり自分の命をも失ってしまうと言う人生をだ。




彼にとって、「凌雪を失う悲しみや苦しみ」という事は計り知れないものだったことがうかがえる。



――――決して忘れたくない想い。


それは瑤心が、愛の女神の原神を持つことも関係していた。



無事に歴業を終えたとしても、この先凛宸は人間界での記憶に苦しむことになる。



そしてこれが天帝に知られてしまえば、彼は厳罰に処される。

誰にも知られないうちに、私はその記憶を消してしまわねばならない…




彼が人間界での記憶を持っていなければ、何の問題もなかったことだった。

人間はか弱き存在だ。


そんな人間に、「女神瑤心」が与えた影響は如何ほどか…

凛宸は「凌雪」を失った事で、自分の命も手放すほど憔悴した。


その想いを、天界にまで引きずるなど決してあってはならぬ事だ。




歴業は、我々にとっては全てではない。ただの修行の一環なのだから――――。




一方瑤心は忘川水(ぼうせんすい)を飲み、凌雪としての記憶は全くない。



日々自分を磨き研鑽し女神としての日々を過ごしていた。





そして、私達はもうすぐ夫婦になる…

それは天が定めた縁だ。






凛宸は、凌雪の影を持つ瑤心への想いに苦しみ、そしてそれに気づかない瑤心は無邪気に彼に接していた。



そんな時、彼はある決意をする。


それは、私達三人の運命を大きく狂わせて行った…



―――――2章へ続く


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