ミカミ・ミカVSイリーナ・バニング
東倉梓と、上原綾乃の一戦。フルセットフルラウンドで、終盤を迎えていた。
梓は魂キャラ、ムチ使いのミカミ・ミカ。
それと対峙するは、赤髪のロングストレート少女、イリーナ・バニングだ。
ビスチェにジャケットを羽織り、ショートパンツと言う装い。右腕には炎をまとったパイルバンカーと、接近してそれで殴れと言わんばかりの装備をしている。
さて試合の方だが、ややおかしな展開となっていた。
ムチでのロングレンジを得意とする梓のミカが、相手の得意距離まで踏み込み、前のめりに攻め込んでいた。
「ああもう! 結局、ウエちゃんの十八番に持ち込まれたわぁ。けど、攻めな埒があかん」
ミカがミドルレンジレンジを越え、鼻っ面をぶつけ合う、超接近戦に持ち込む。
イリーナの顔に目掛け肘打ちを撃ち込むが、両手をクロスにして覆ったガードで弾かれる。
ならばとミカはしゃがみ、足元を狙ったモーションの小さいキックで下段攻撃で攻めるのだが、それを読んだかの様に、イリーナはしゃがみガードを成功させる。
何発、何十発も上段下段と攻撃を繰り出すのだが、イリーナは全て捌き切る。
「コレなら!」
ミカが地面を蹴り、飛び上がる。地上戦では分が悪いと踏み、相手の背中を狙う捲り攻撃を狙ったのだが。
「飛んだね」
ミカが飛ぶと同時に、イリーナは前ステップで、身体1個分程前に出る。
「潜り込まれた」
身体1個分程の踏み込み、捲り攻撃をかわすには十分な移動だった。
着地時の硬直で隙のできたミカに、イリーナの左腕から繰り出されるボディーブローを、まともに受けふらつく。
カカカカカッと、レバーレスの方向キーを高速で撃ち込む音が、部室内に響き渡る。
「レバーレスで、2回転コマンド。ホンマに器用やねぇ、ウエちゃんは」
イリーナは右腕に備え付けたパイルバンカーを、渾身の力を込めて、ミカの腹部に打ち込み貫く。
そして腹部を貫いたまま、ミカを高々と持ち上げる。
「バーニングステーク! バーン、ダウンだぁぁぁ!?」
ガチりとパイルバンカーのシリンダーが回転し、ミカの体内のマナを燃焼し、爆発させる。彼女の身体は真っ赤に輝き、爆炎に包まれた。
KO!イリーナ・バニングWIN!?
◇
対戦を終え、梓と綾乃はガッチリと握手をしていた。
「守りがカッチカチすぎて、最後の最後で飛んでもうたわぁ。流石ウエちゃんや」
「お褒めに預かり、光栄だね。梓」
「次は……負けへん」
「ああ、またやろう」
キャラクター解説 イリーナ・バニング
接近戦の火力に定評のある、インファイトメインで戦うキャラクター。
飛び道具が無く、接近戦に持ち込まないとジリ貧になるキャラだが、相手との距離を詰める突進技。
空高くジャンプしながら、踵を叩きつける必殺技もある為、距離を詰める事には困らないキャラクター。
ただ、昨今のゲームのキャラクターのしては、必殺コマンドが難しく、必殺技のバーニングステークでさえ2回転コマンドを要求する。(超必殺技は、更にコマンドが難しい)
近接オンリーで、攻撃を空振りした時の隙が大きすぎる等、ピーキーな性能をしているが、そこも含めて一部の愛好家にイリーナは愛されている。