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アイをトル  作者: 冬夜風 真愛
7/54

7話

 

 キーンコーンカーンコーン


 六限目の終わりのチャイムが鳴ったら、みんな自由になる。

 部活に行く人、友達と遊びに行く人、アルバイトに行く人、誰もが自分のやりたいことができる権利を持っているのだ。

 僕はこれから、作詞部の見学に行かなくちゃいけない。

 この学校から駅前のカラオケ屋まで歩いて二十分くらいだ。

 別に席が隣なのだから一緒に行けばいいのに、遥香はもういない。

 僕は特に急ぐことはせず、だらだらと帰る支度をして下駄箱に向かう。

 お気に入りのスニーカーを履いて、校門へ向かっていると、僕の横を二十人くらいの集団が走って通り過ぎた。みんなお揃いの練習着を着ていて、背中には『男子バスケ部』と『ONE FOR ALL ALL FOR ONE』と書かれている。


 ピロリン


 スマホをポケットから取り出し、画面を見てみると


――― もう部活始まってるよー。まだ? ―――


 いくらなんでも早すぎる。チャイムが鳴り、少しゆっくり帰る支度をして、靴を履き替え、男子バスケ部の背中を見ている間に部活は始まっていた。

 走るなんて絶対に考えられないので、直行してもあと二十分は掛かる。


――― ちょっと遅れるわ。ごめん ―――


 送信ボタンを押して、コンビニへ向かった。やはり自分の足はあまり焦っていないようだ。

 二人分のチョコレートとカフェオレを買って、今度こそ寄り道せずに遥香のところへ向かい始めた。


 ピロリン


――― 部屋は一番奥のKだよ。久保のK! ―――


 遥香から部屋の連絡がきた。


――― 北野くんのKでもあるね(笑) ―――


 追加でこんなのも送られてきた。

 僕達の仲が良くなった理由として、久保と北野で名前順が近かったこともあると思う。



 ……いや、嘘だ。実際は全く関係がなかった。


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