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43話
「早く早く~」
「ちょ、ちょっと待ってよー」
「うふふ。もうちょっとだから頑張って~」
二人で山道を走って下りていく。
歩道もない道路をただひたすら走った。
たまに横を通り過ぎていく軽トラックのおじちゃんに怪訝な顔をされたのは、見知らぬ学校の制服を着た小学生らしき男女が人通りの少ない山道を走っていたからだろうか。
「ねぇねぇ、そろそろ休憩しようよ!」
「ダメよ。先生に追い付かれちゃうじゃん」
「ここまで来たらもう大丈夫だって」
「う~ん、分かった。ちょっとだけ休憩しよっか」
僕達はバス停の狭い小屋で少し休むことにした。
そこは外よりも多少涼しい程度で、冷気など微塵も感じなかった。




