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アイをトル  作者: 冬夜風 真愛
29/54

29話



 遥香にルーズリーフを返し、白いマグカップに入ったコーヒーを飲む。

 部屋代にプラスでドリンクバーが付いているから、沢山飲まないともったいない。


「僕は今まで一番のサビの主人公みたいに失敗を恐れて、何も目標を持たず生きてきたんだ。それが正解なんだってずっと思ってた。でも、間違いだったことにやっと気付いた。遥香と一緒に挑戦してみたいって。だから僕は、作詞部に入ることに決めたんだ」


「なんかすごく嬉しい。私の歌詞で祐が変わろうと思ってくれたなんて……」


 遥香は照れたように笑い、下を向いた。


「うん。僕に宛てたメッセージみたい」


「ふふっ。私がこの歌詞で一番伝えたかったのはね、目標を持つことの大切さだったの。一番のサビの主人公と二番のサビの主人公で共通しているのは、最後の歌詞の【僕は僕を信じて進むだけ】ってところ」


「あっ、てことは、主人公は最初から自分を信じていたってこと?」


「そうなの。一番のサビでは目指す目標が決まっていなかった。だから、失敗に恐れてた」


「目標ができたから、それに向かって挑戦し始めたってことか」


「うん。結局どっちの道を進んでいても、二つの道はすぐに交わってた。だから、立ち止まって考えている時間があるなら、早く挑戦しなさいってこと」


「へー。じゃあ最後は主人公が、迷っている人にアドバイスしてるのか」


「そう。なんか恥ずかしいなぁ。自分で説明するの」


 遥香は顔を赤らめて、頭を掻いた。

 作詞家から歌詞の説明をしてもらえるのは貴重だ。

 この世の中に溢れている歌詞の意味は聞いている自分で感じ取るしかない。

 作詞家に直接聞けるのは作曲家とアーティストくらいだろう。


「あっ」



 僕はスマホであるものを撮っていたことを思い出した。

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