表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイをトル  作者: 冬夜風 真愛
27/54

27話


 今回もここで少し沈黙を作ろうとした。

 しかし、この前と違うのは「場所」だった。

 カラオケ店と音楽室では雑音の差が激しい。

 この場所では僕の思っている沈黙は作れなかった。


「二曲目が見たいって思った」


 僕を見ている遥香の顔が一瞬で曇ったのが分かった。


「ほう? というと?」


「だから、それぐらい遥香の歌詞にセンスを感じたってことだよ」


「あっ、そういうことか!」


「普通分かるでしょ」


「祐の言い方分かりにくいんだもん。もっとストレートに言ってくれたらいいのに」


「はいはい。とっても良かったです」


「あー、すぐそんな態度とるなぁ祐は。じゃあ、どこの歌詞が一番良かったか教えて?」


 なんて欲しがりなやつだ。

 しかし、僕も作詞部に入った身だ。

 チームとして結果を出すには、仲間同士で意見を言い合うことが大切だと何かの本で読んだことがある。


「まぁ全部好きだけど、一番良かったのはサビの歌詞かなぁ」


「やっぱりサビか~。私もお気に入り」


「なんか刺さったんだよな」



【  僕の目の前には右と左の分かれ道だ 人生を決める大きな選択 

   間違えないように少し座って考えようか

   大切なのは失敗しないことさ ゴールに早く着けばいい

   ゴールの先にある何かを探しに 僕は僕を信じて進むだけ   】


 一般的にサビは反復される。

 一番のサビも二番のサビも歌詞がほとんど変わらないのが主流である。

 なぜそれが定番化しているのか。それは作詞家にとってサビの歌詞こそが世の中に一番伝えたい想いだからだ。

 最も曲が盛り上がるサビで何度も同じ言葉を使って、聞いている人の頭の中にインパクトを残す策略。



 遥香の歌詞もまさにそれだ。僕もその策略にまんまとハマってしまった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ