表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイをトル  作者: 冬夜風 真愛
15/54

15話


 しかし、学校まであと少しのところで赤信号に出会ってしまった。

 時間を確認すると、PM12:53だった。

 この信号を無視して渡れば時間には余裕そうだが、僕は母の教えを守ることにした。


 それは小学二年生の頃、母が僕に言ったことだ。


「信号を守っている人に悪い人はいない、とは限らないの。でもね、信号を守れない人に優しい人なんていないわ。だから祐は、信号を守れる優しい人になってね」


 信号を守れる悪人はいても、信号を守れない善人なんていない。

 僕はその教えをこれまでちゃんと守ってきた。

 こんなところで、善人の称号を剥奪されるわけにはいかないのだ。



 しばらくすると信号が青になり、僕は走って学校の玄関に向かった。

 上履きに履き替え、三階の音楽室まで全速力で駆け上がる。

 音楽室のドアの前で呼吸を落ち着かせ、風に吹かれて舞い上がった髪の毛を軽く整えた。

 ドアを開けると、一年に一回聞くか聞かないかくらいの音が聞こえた。

 


 パンッ




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ