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13話
ドンッ
僕はその音で目が覚めた。
スマホがソファーから落ちたようだ。
眠い目を擦りながら、テレビの上に掛かっている時計を見ると、PM12:20と表示されている。
「やばっ!」
遥香との約束の時間まであと四十分しかないじゃないか。
スマホを見ると、遥香から二時間ほど前に連絡が来ていた。
――― 学校の音楽室集合ね~! 遅刻厳禁だからね ―――
学校までは歩いて三十分近くかかる。
遅刻しないためにはもう準備しないと間に合わない。
僕は重たい体を起こし、ソファーから立ち上がった。
テーブルの上を見ると、サランラップに巻かれた朝ご飯が置いてある。
昨日の夜から何にも食べていないからお腹は空いていたが、食べている時間はない。
わざわざ仕事終わりに作ってくれた母には申し訳ないが、僕はリビングを出て自分の部屋に戻った。