四十二学期 試す者達
テスト勉強をするために水野さんの家に集まった私達であったが、意外な事が起ころうとしていた。
それは……テスト勉強をしようとすると、私が強制的に眠ってしまうという謎の現象。これを止めるべく、勉強は一度中断する事となってしまい、水野さん達が様々な事を試してくれようとしていたのであった。
「……んで、どうして……私は、今こうなってるの?」
私は、まるで映画館にあるようなシートに座らされ、手足を謎の銀色のベルトみたいなもので固定され、そして……機械で両の目を固定で開かされた状態にされていた。
私の目の前には、水野さんの部屋に置かれているテレビが映っており、なんかの映画のようなものが流れている。そして、隣に座っていた平安京さんが、数秒おきに目薬みたいなものを私にさしてくる。両目を謎の機械で固定されていた私は、どれだけ目薬うたれても目を閉じる事もできず、ひたすら目から液体が溢れて出て行く一方であった……。
いや、というか……。
「……何これ?」
「あら? 知らないですの? ルドヴィコ療法。結構有名な療法ですわよ。もしかして、貴方って映画とかは見ないタイプで?」
「アウトだよ! こんなクソ作品で取り扱っていいネタじゃないよ!」
「あらぁ? 白衣まで着て用意したといいますのに……贅沢な事言いますわねぇ」
「……どの口が言うの! 昔の映画ネタとか使っても誰も分からないから!」
「……それは、読者の教養が足りてないだけですわ」
「炎上するからやめて!?」
平安京さんが、やれやれと言った様子でルドヴィコ療法のセットを片付けていき、残念そうに溜息をつく。彼女は去り際に映画も消していつの間にかつけていたメガネをクイっと上げて告げた。
「……科学者の娘としては、最高の瞬間だったのに…………」
「……もうやめてね……平安京さん」
「……金閣寺です! わたくしの名前は、金閣寺・F・恋金! いつまで間違えるつもりですの! というか、体育祭の時にやっと名前ちゃんと言ってたのに……わざとじゃありませんの!?」
「……え? いやいやぁ~、そんな事ないよ~」
「……ぜっっっっっっっっっっったいにわざとですわ! 今ここで確信しましたわ!」
わめく平城京さんの隣で今度は、水野さんがやって来る。彼女は、言った。
「……日下部さん? その……今度は、私のやり方でやってみても良いですか?」
「ん? 良いよ」
私達は、すぐに平城京さんのセットを片し終えると次に……水野さんのやり方を試すべく、準備を始めた……。
*
「……って、いやこれって…………」
私は、自分の今の姿を見て意味が分からず困惑しつつ、体を震えさせる。
「……どうして私、ビキニで勉強なんかさせられてるわけ!?」
私は、黒い水着で椅子に座ったままペンを持たされたまま勉強をしていた。私達が今いる部屋は、まだ夏が来ていないにも関わらずクーラーの温度が18度という地獄のような寒さ……。
そんな中、隣に同じく座っていた水野さんがお勉強をしながら私に答えてくれた。……震えながら。
「……いっ、いやっ、その……ちょっと寒いと眠くなくなる時ってあるじゃないですか……」
「……いや、だからって……これは寒すぎでしょ」
――逆に……永遠に眠っちまいそう。
「というか……なんで私以外の皆まで水着着てくれちゃっ……こほん。着てるわけ!?」
すると、寒そうに震えながら水野さんもスクール水着に身を包んだまま答える。
「やっ、やっぱりその……こういうのって皆でやった方が……苦しいのも皆で共有した方が良いかなと思って……」
凄く優しい水野さんらしい意見だ。それに……いや、寒いけどこれ……最高過ぎる。
ワンシーズン先に……クラスのオス共よりも先にこの子達の水着姿を拝めるだなんて……! うひょおおおおおおおおおお!
皆、この部屋には女子しかいないから誰も恥ずかしがる事なく普通に水着のまま勉強している……! それもあって……愛木乃ちゃんの白くて綺麗なお肌とたゆたゆなおっぱい! ちなみに下は、全く見ていなかったから除外。
そっそして、その隣には……平城京さん! まさか、隠れ巨乳だったとは……金のゴージャスそうなビキニが……普段の高飛車なお嬢様とは、全然違うダイナマイトな雰囲気を醸し出して……なんだか、股の辺りが布と肉に挟まって……はっ、ほあああああああ! くうううううぅぅぅぅ! 男のままでこんなの見てたらきっと俺……もう!
そして、何気にチラチラ見てしまうのは……この隣の水野さんの水着! 何と言ってもここでスク水! 私も含めて皆がビキニを着ている中で……スク水! いやぁ、これもまた素晴らしい! 可愛らしさもありつつ、何処か謎の魅力というかエロスも感じられる……素晴らしい衣装!
あぁ~、ダメだ。たまらない。たまらな過ぎる。……なんだか、逆に…………クラクラしてきて……。
「……えへぇ~」
その途端、私は鼻から血を噴き出して倒れてしまった。後から心配して駆けつけてくれた水野さん達によって何とか命に別状はなく助けられたが……その後も何度か私は、自分の欲望との果てしない戦いを繰り広げたのだが……結局、私の鼻血があまりに酷かった事もあって……この水着作戦も失敗に終わってしまったのだった……。
次回『一休みする者』




