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二十四学期 ズレし者

 ――GW……到来! 学生たちにとって最初の長期休暇。ここから多くの学生達は、中間テストや学校によっては、体育祭、修学旅行などの行事を控えている場合が多く、そのための停戦期間である!


 また、このGW期間までに友達や恋人ができない者とできる者によって、この先の学生生活において決定的な格差が生まれてきてしまうのも事実。





 ……そして、この私、日下部日和は、見事勝ち組に返り咲いた。今日は、GW……クラスの皆と集まる日。……まぁ、皆といっても女子5人と男子5人。言ってしまえば合コンのようなもの。そうは言っても大事な体育祭のための親睦会。いくら停戦期間で……しかもクラスの人全員じゃなかったとしても少しでも絆を深める事ができれば……運動会は、団体戦だし……きっと、後で大事になってくるはず! 







 そう、私が……ここでする事。それは…………







 ――この合コンで女の子達にアプローチをかける! そして、あわよくば……あわよくば…………ぐふふふ! 







「クラスの女の子達と良い感じの関係になって……”だれれちゃん、これから2人きりにならないかい?” ”日下部さん! キュン! 素敵!” ……みたいなァ!みたいな展開! こういう展開になって欲しいのだよねぇ!」



 私は、この時……家の中で行く2時間前からずっと鏡の前に立っていた。そして、鏡に映る自分の姿を見て、周りに服を置いたまま、ジーっとコーディネートを考えていた。




「……うーん。どうしましょ? 正直、こういう時は何を着て行けば良いのか分からないわねぇ……。女の子を落とせそうなコーデ……前世でもっとお洒落に目覚めていれば……今頃、こんな所でつまずく事もなかっただろうに……。うーん」



 私は、今着ている服もなんだか違う気がして脱ぎだす。


「……やっぱり、こっちの方が良いかしらね」


 そうして、クローゼットの中から赤いドレスを選んで、それを試着。このドレスは、体のボディーラインがくっきりと分かるドレスで、肩や太ももなどを露出させた少しアダルトな感じのドレスである。



 ……しかし、女の子を落とすとなれば……この位は、しないとダメよね? ぱっちりドレスで決めて……きりっとした顔で……”行きましょう。2人だけの場所に”みたいなセリフくらい吐けないと……話しにならないはず……。




「……決めた! もうなりふり構ってられないわ! このドレスで行きましょう!」




 こうして、私はすぐに髪型もバッチリ整えて家を出て行く事にした。出て行く直前で両親が、とても心配そうな顔をしていたのだが……おそらく、私が無事に女の子を落とせるかどうかを察してくれていたのだろう。



 ――ありがとう。行ってくるよ。パパ、ママ……。






 そうして、私はメールに書かれていた通りの時間に間に合うように電車に乗って、バスに乗って……集合場所へ向かう。途中で、色々な人からジロジロ見られたりしたが……まぁ、そんな事はどうでも良いか。




 無事に待ち合わせ場所の駅前に到着した私は、向こうに見える女子の集団に声をかける。



「……皆さん! こんにちは!」



「……あ! 日下部さん、おはy……ん?」



「……あ、へ?」



 最初に同じクラスの女子3人が私の姿を見て、固まる。その後、その子達と一緒に立っていた水野さんが私の事をジーっと見つめながら、頬を紅く染めて恥ずかしそうに言うのだった。



「……おっ、おはようございます……。その…………とっ、とても綺麗ですね」



「……あらぁ? ありがとう」



 すると、クラスの女子の1人が漫才師のように勢いよくツッコミを入れてくる。



「……いや、ありがとうじゃないよ! 日下部さん、何その恰好!? いくら何でも……ちょっと気合入り過ぎというか……」




「……? いやぁ、今日はクラスの皆と遊ぶって聞いて……楽しみだったからつい気合入れてきちゃって……」



「……意味が分からないよ! その気合の入り方!」



「あらぁ? もしかして、似合ってないかしら?」



「……いっ、いや! 超似合ってる! メチャクチャ似合ってるけど!」



 すると、今度は水野さんが私の事をジーっと見つめたまま口を開く。



「……素敵」



「感動する場面じゃないから!」



 それから、その子と隣にいた2人の女子達は、お互いに目を合わせて溜息をついたりした後に言うのだった。



「……はぁ、全く……まぁでも男子達より1時間早めに集合しといて良かったわ」



「……?」



「……日下部さん! ちょっと今から服買いに行くよ!」




「え……?」


 突然の展開に私は、困惑。え? いや、だって……この格好、超似合ってるんでしょ? 完璧な私の完璧な格好だと思ったのだけど……え? なんで? どうして?



 固まっていると、後ろから2人の女子が私の背中を押してこの近くにあるショッピングモールに連れて行こうとする。



「……ほら、行きますよ!」



「……私達も服選ぶの手伝うからね!」







「……え!? え!? ちょっ! ちょっとぉ!」



 こうして、私と水野さんは彼女達3人に背中を押されながらショッピングモールの中に消えて行った……。





 


次回『身なり整えし者』

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