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世界に歓迎される心臓⑤

「ゲーム感覚でしか生きられない女と、男になった女と、チャラチャラした男。割と本気で殺意わきましたよ。」

「……ん?男になった女?」

「貴女の元恋人の恋人は、男性として生きてますよ。見たこともあると思います。」

「え?はぁ!?」


衝撃の事実にケースを持っていた手に力が入ってしまった。ペキッて鳴った気がする。見たら船橋さんの顔の部分だった。申し訳ない。


「ほら、あの、カフェの子の恋人です。」

「え!?あれが!?」


なんとBなLのカップルの片方だった。


「彼女、男としてカフェの子の友達になりたかったらしく。同性であれば軸となっているストーリーに支障は無いだろうし、故意な干渉があった場合にはペナルティ付けてあるので問題ないと判断して送り出したんですが。」


まさかそっち方面に転がるなんて、とイケ女がぐったりしている。元々本人にその気は無かったんだろう。だから故意に干渉したって判断が出来なくて、そうこうしてる間にカップル成立したと。


「それ、友優が聞いたら絶叫しそうだ…。」

「でも本人も言ってましたが、彼女がそうなってしまった今、貴女が恋人になることも出来るんですよ?」

「駄目、そんなことさせないです。先輩から貴女の話を追加で聞いた時、貴女しかいないって思ったんです。貴女なら彼を幸せに出来るって思ったんです。」


先程の友優の提案をイケ女が繰り返し、それを拒否する美少年。イケ女の方は答えを分かってて聞いてきてるのが表情から丸分かりだけど。美少年が可哀想だから止めてあげて。


「美少年さん、なんでアタシしかいないんですか?もしかしたら今度こそがあるかもしれないじゃないですか。」

「その今度こそがいつか分からないじゃないですか。それまで彼が傷付くのは嫌なんです。」

「どうしてそこまで優ちゃんに肩入れするんです?」


乙女ゲームの当て馬キャラなんてそれこそ星の数程いるのに、何故彼だけなのか。なんでそこまで必死になるんだろうか。


「那智さんは、私達の存在ってどういう風に生まれると思います?」

「え?さぁ?」


イケ女の唐突な質問に首を傾げる。神様みたいな存在が生まれる?こう、創造神がいてポコポコ作ってるとか?じゃぁそもそも創造神はどうやって生まれたのかって話になっちゃうけど。


「私達は元々どこかの世界に存在していた人間なんですよ。彼はそのゲームが存在してた別の世界で暮らしてた一人の女の子だったんです。当て馬だった彼のことが大好きな子でした。亡くなってすぐに私と同じ存在になって、この世界を管理する権利をもぎ取ってからはずっと彼を見守ってたんですよ。」

「は?」


この美少年、中身女の子なの?

アホ面のまま視線を向けたら、さっきとは別人みたいに顔を真っ赤にしてモジモジしてた。

いや可愛いかよ。

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