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世界に歓迎される心臓④

「意味が分からない。」

「本当に申し訳ございません。苦情は最後にまとめて受け付けますので、経緯を説明してもよろしいでしょうか?」

「まずはこの痛みをどうにかしてくれません?でないと舌噛みますよ。」


ダメ元で脅してみると、慌てたイケ女が美少年の手を掴んで開かせた。そこには人体模型の心臓みたいなのが。あれと自分のがリンクしてるってことなのかな。痛みの引いた胸元を擦りながら、イケ女の手に渡るそれを見つめる。


「これでよろしいですか?」

「…はい。」

「じゃぁ説明していきますね。」


そう言ってテーブルの上に置かれたのは何かのケースだった。許可をもらって手に取ると、乙女ゲームらしきパッケージデザイン。

しかも。


「これ、この世界の…。」

「はい。貴女が生前いた世界と、別の世界にも存在する乙女ゲームです。」


二次元化したらこうなるんだろうなって納得出来る石井さんやカフェの店員さん達が描かれている。自分も結構乙女ゲームやってたはずだけど見たことないな。


「そしてこちらがその続編です。」


続けて出されたのは、槙君や船橋さんが描かれていた。やはり記憶にはない。マイナーだったんだろうか。

なんとなく裏も見てみると。


「優ちゃん?」

「彼、このゲームの当て馬キャラなんです。」


小さいからハッキリとはしないけど、既視感が拭えなくて溢れる。肯定したのは美少年だった。

そうか、イケメンだけど石井さん達に比べるとって思ってしまうのは当て馬だからか。隠れ攻略対象でもないのだろう。


「僕、元々このゲームが売られてた貴女とは別の世界の管理をしてたんです。皆がこれで遊んでるのも沢山見ました。その度に当て馬としての扱いを受ける彼も沢山見ました。それが可哀想で。」

「ほう?」

「定例会でこのゲームの世界が存在することを聞いて異動願い出したんです。僕が上手くやれば、実際の彼は幸せになるんじゃないかって。」

「定例会…異動願い…。」


何処の会社だと言わなかったアタシ偉い。


「直接の干渉は出来ないから周辺の環境を整えてみたけど、ゲームじゃないのに何故か女運が悪くてことごとく…。」


美少年がもにょもにょと濁す。イケ女もなんとも言えない顔をしてるから、優ちゃんはロクな女に出会ってこなかったらしい。神様が小細工してもそれって相当では?


「どうしようもないって諦めかけた時に、先輩がやらかした話を聞いたんです。被害者を望む世界に送り出したって言うのも聞きました。すぐに先輩に突撃して自分の所に来た人間を確認したんですが…。」

「それがヒロインの中にいた女と、友優とその彼女だったと?」

「ふざけんなよって先輩に殺意わきました。」


理不尽な殺意に思わずイケ女に同情してしまった。


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