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幸か不幸か①

「うわっ!?先週より死にそうじゃん!?」

「寝れんかった…。」

「もしかして。」

「うん、まぁ…。」

「…ごめん。」


なんて会話を月曜日にしてから土曜日まではあっという間だった。寝不足なせいで仕事全然出来て無かった気がするけど、上司に呼び出されてないから彩子がなんとかしてくれたんだろう。感謝しかない。

友優が同じ脱線事故の被害者かもしれないという可能性に酷く動揺してから、家にいる間はずっとスマホをいじっている。自分と同じように心配するフォロワーに何の反応もしていない彼のアカウントを見るにやはりとしか思えない。

もう想っていても仕方ないと切り替えられればいいのだが。


(どうにもモヤモヤする)


スッキリ終わりに出来るとは全く思っていないけど、それでももう少しケジメがつけられるはず。なのに、頭の中でグルグルして気持ち悪い。


(昨日よりは寝れたから顔色はだいぶマシ…)


ランチ当日の今朝も予定よりだいぶ早起きしてしまった。家を出る時間までまだまだで、どうしたものかとクローゼットの服達を眺めて思案する。

まだバスボムがあったような。確認がてら湯船につかるのもいいかもしれない。自分の中で1番可愛いく見えると思われる服を手にして脱衣所へ向かった。


(お、ラストだ)


お湯を溜めている間隙間収納を覗くと、紫色のソレガ隅っこに追いやられてた。この前新しい化粧水を買った時に奥にやってしまったのだろう。

生前のスマホとバスボムを手に浴室へ。色付いていくお湯を横目に髪を気持ち丁寧に洗った。

SDに保存されているからか、生前お気に入りだった曲も聴けるのを知ったのはたまたま。折角なので持ち込んでみたけど。


(リスト後半の失恋ソングの多さよ)


アーティスト問わず集めた悲しい歌が響く。当時を思い出して少しだけ涙が流れた。

こんな気分じゃ駄目だと前半に戻してテンポの良い曲でテンションを戻して浴室を出ると、まだ時間に余裕がある。さてどうしたもんか。


(あ、メッセージきてるじゃん)


洗濯機の上に置いていた今のスマホが何かの通知を受け取っていたので見ると優ちゃんだった。乗る電車の時間を知らせてくれたようだ。彼が到着するのは二時間半後。移動時間を考えても二時間は空く。


(しゃーない、カフェで時間潰そう)


軽く髪を巻いてうっすら化粧もすれば服とバランスが取れた可愛さになった。こんなん浮かれてると思われても仕方ないな。


(可愛いって言ってくれるかな?)


尻尾をブンブン振って褒めてくれる彼を想像して思わず笑う。なんとか向き合えそうだ。

日傘片手に飛び出した外はまだまだ暑かった。


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