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彼と彼女とアタシ⑦

再び暗転。

今回の戦闘でいかに主人公に攻撃面で頼っていたかよく分かった。最後の幹部とラスボスはステータス的に余裕だけど、ここから更に展開に変化があるかもしれないので一度戻って自分を強化しよう。

明るくなった画面は悪友が消滅寸前の所で兄弟が戻って来るところが映されている。そこだけがムービーですぐにテキストが表情された。


『僕は…僕は…。』

『どうしてこんなことを!そうまでして手に入れたかったものは何だったんだ?』


躊躇いもなく瞬殺したあとの主人公のこの台詞ちょっとウケるな。


『キミだよ。』

「『え?』」


名前が自由に設定出来るゲームなので、そこの部分のボイスはキミで統一されている。

文字にも声にも驚いて、見事にキャラと反応が被った。


『一目惚れだったんだ。兄さんの横で凛々しく振る舞うキミがとても眩しくて、惹かれた。恋人がいる身で、本気でキミが欲しいと思ったんだ。』


またムービーに切り替わった後、元彼は苦しそうに言った。完全に消滅した悪友同様、彼もすぐにそうなるのだろう。

足元が少しだけ透けている。


「え?そんな設定だったっけ?」


真っ直ぐに見つめてくる彼が、いつかの彼と重なる。あぁ、あの世界で告白された時の表情と同じだ。


『兄さんにもキミにもそんな感情ないことは分かってた。でも、隣り合って笑う二人を見て、どす黒い感情を持ってしまった。一緒に行ければチャンスはいくらでもあったはずなのに、それすら兄さんに断られて…!』


主人公と自分の分身は画面外でだいぶ仲良しらしい。そして旅への同行理由が不純すぎる。


『そんな時、声を掛けられたんだ。キミを手に入れる方法があるって。時間は少なかったけどここまでがんばって、この地位に就いたのに…!』


結局兄さんには敵わないのか、と俯いた彼はもう半分消えている。あれ?これ、恋愛アドベンチャーゲームだったっけ?

男性キャラで始めてたらどうなってたの?BなLになっちゃう感じ?

少しだけ逃避したくてアホなことを考えてしまった。後でネタバレサイトでも見てこの辺りの設定は確認しよう。


『ねぇ、僕は本当にキミを愛していたんだ…。』


半透明の手がこちらに伸ばされる。そんな泣きそうな顔、リアルでも見たことなかった。


「何が愛してるよ。結局アタシを捨てたくせに。」


ポツリと零れた言葉は完全に消えた彼へのものでなく、いつかの悪友と寄り添う彼の後ろ姿へ向けたものだった。

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