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過去を身に着けて①

「あれ?また違うアクセじゃん。」


首元を覗きこんで彩子がニヤニヤした。

爆睡した翌日はネックレスのことを完全に忘れていたのだが、槙君とのトーク画面を見たら何故か思い出して鞄を探した。寝室のクローゼットにしまったあったそれはすぐに見つかって、少し緊張しながら開けて中身を確認。最後に着ていた服を取り出した時は懐かしくてつい着てしまった。

事故の衝撃で壊れてしまったスマホもあったけど、これがまだ使えたら元彼とのやり取りを見てウジウジしていたんだろうなと思う。見れなくてもウジウジすることがあるんだし。

たいして多くない荷物を一つずつ出していっても、やはり見当たらなくて。何故あれだけと不思議に思ったところで一番下から出てきたのだ。買ってもらった時の箱に綺麗にしまってあって、思わず付けてそのままだ。


「新しいものではないよ。元彼、からもらったやつだから…。」

「はぁ?なんでそんなものをまた?」

「お気に入りだったんだけど、引っ越しの時にどこにしまったか忘れちゃって…。」

「未練タラタラ過ぎじゃん。それ捨てて違うの本道君に買ってもらえば?」


嘘をつく必要もなかったので素直に言ったら怪訝な顔をされてしまった。更には捨てることをオススメされてしまう。


「なんで優ちゃんがそこで出てくるのよ。てか捨てないし。デザイン気に入ってるし。」

「ホント、その元彼とやらを一度見てみたいわ。」


さぞかし良い男なんでしょうねぇ、と低い声でいう彩子から目をそらして仕事の準備を進めた。

そう、このデザインがいいの。一目惚れしたやつだから。別に彼からのプレゼントだからじゃない。

少しごつめの馬蹄に一度触れて、上司から送られてきていた今日のスケジュールの確認に入った。




◇◆◇




生前の自分はシンプルなものを好む人間だった。身に着けるものも一人暮らししていたアパートの家具も。

このネックレスが目に留まったのはまぁ単純な理由で、元彼の指で存在を主張していた馬蹄のリングとデザインが似ていたから。彼もそれを分かっていたから、少しニヤニヤしながら買ってくれていた。恥ずかしさもあったけど、やっぱり嬉しかった。

死んでからはコレの存在を忘れることはなかったが、この鞄を探すのを面倒と思うくらいにはその時にいた世界を楽しんでいた。


(まぁ命のやり取りしてる時にそんなこと気にしてられなかったというか…)


ほのぼの系な現代世界だったらコレを付けていても良かったけど、貴族として生きていた時はその恰好に合わせたものが絶対だったし、魔法ぶっ放したりなんだりな世界は自分のステータスを上げるアイテムを身に着けるのが最優先だったし。


(この時もガンナー専用のチョーカー付けてたし)


スキルゲージMaxになったキャラがボスに必殺技を打ち込んでいるのを眺めながら、衣装部屋にある実物を頭に浮かべる。結構複雑なデザインなんだよね。序盤で手に入る物の割になかなかな性能で終盤までそれでいけるのが良い。


(彼は浮気相手だった人と仲良くやってるんだろうか)


遂に登場した懐かしのキャラを睨みつけてそんなことを思った。


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