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プレゼント①

「おはようございます…。」

「うん、おはよう。他に言うことあるよね?」

「寝坊してごめんなさい!」


時刻は13時半ちょっと過ぎたところ。場所はよくあるファミレス。

昨日指定された時間に最寄り駅で待っていたのに15分経っても優ちゃんは姿を見せず。遅延情報を確認しても問題はなかったから、やはり彩子に潰されたかと思わず笑ってしまった。

このまま此処にいるわけにもいかないので、そちらへ向かうとメッセージだけ送って電車に乗り込む。

到着しても既読が付かないので仕方なしに近くにあったファミレスで空腹を満たしていたら、入店から30分ほどでやっと連絡が。ひたすら謝罪をしてくるから、さっさと準備して来いと現在地を送ってデザートを堪能していた。


「どうせ彩子に付き合って飲み過ぎたんでしょ?」

「うん…。あの人おかしいよ…。」


思い出したのだろう、ぶるりと体を震わせている。見慣れない人からしたら恐怖だろう。アタシも初めて一緒に飲んだ時はドン引きした。


「とりあえずご飯食べな?買い物は今からだと電車の往復で時間潰れちゃうから諦めよう。」

「え!?」

「その代わり、そこのビルに入ってるお店見てもいい?」

「も、勿論!」


急いで食べるね!と一番最初に目に入った料理を頼む優ちゃん。また耳と尻尾が見えた気がする。昨日終話間際のちょっとかっこいい感じ(声のみだが)にドキッとしたのはビックリしたからだな。パスタを頬張る向かいのワンコをわしゃわしゃしたい。



◇◆◇



「なっちゃん、ピアスするの?」

「ノンホールピアスだよ。穴開いてないし。」


横から覗きこんでくる優ちゃんに髪をどけて片耳を見せる。生前からピアスに興味はあったけど、痛いのが怖くてずっとイヤリングかイヤーカフを付けていた。最近ノンホールピアスの存在を知りネットで色々見ていたんだけど、デザインが気に入らなくて実物を見た方が早いと思ったのだ。

生前はともかく、これまでの世界で痛い思いは沢山してるのに何を言ってんだって感じだけどさ。


「どういうのが欲しいの?」

「んー、デザインが好みならなんでもいいんだけど。」

「シンプル?派手め?」

「シンプルかな?」


ズラリと並んだアクセサリーの棚を端から順に見ていくが、なかなか良いのがない。シンプルな方が好きではあるけど、シンプルすぎるのもなぁ…。

別のお店かなぁと半分諦めていると、何かを見つけた優ちゃんが上の方の商品を手に取った。


「これどう?俺が今付けてるやつと似たデザインのやつ。シンプルだし、重くないからラクだと思う。」


ほら、と自分の耳に付いているピアスと手にあるそれを並べてくれる。確かに似たような感じだ。そのままこちらにかがんだと思ったら、髪をどけられ耳に合わせてくる。、


「っ!?」

「うん。似合って…わぁ!ごめん!」


夢中だったのだろう、思った以上に近くなった顔に驚いたアタシに気付いた優ちゃんは真っ赤になって飛び退いた。

恥ずかしかったのね。でも、そこまで下がらんでも。

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