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内緒話②

「序盤はレベル上がりやすいから必然的に最初の方のキャラは仲間になっちゃうんだよなぁ…。」


実際にあの世界に居た時はプレイヤーの位置に別の人?がいたからそもそも最初から一緒に行動はしてなくて、中盤で仲間になる彼の弟とストーリー前から知り合って彼女の位置に居たから巻き込まれたんだよなぁと当時を思い出す。その間にも指はボタンを連打して道中の敵を倒して進んでいる。

弟が仲間になるボーダーラインっていくつだっけ?身内だからか少し甘めに設定されてたんだよね。同じタイミングで仲間になる悪友はそこそこ高めなのに。


「出来ればあの二人は入れたくないなぁ…。」


弟の方はアタシと同じ遠距離タイプだから被ってるし、悪友のスキルは便利だけど他の仲間で代用出来ちゃうし。なんならこのまま主人公と二人で縛りプレイもいいかもしれない。


「あ、お酒ないじゃん。」


追加のお酒を冷蔵庫へ取りに行って戻ってくるとスマホの通知がきていた。彩子から飲みの誘いかと思いきや、誘いは誘いでも槙さんからだ。

仕事は?とすぐに思ったけど、ビルの定期メンテナンスがあるようで、それなら休みにしてしまおうとなったらしい。飲食店はなかなか休めないだろうからそれは良いと思うけど、貴重な時間をアタシに使ってもいいのか。

まぁ断る理由もないので快諾して時計を確認。待ち合わせるにもまだ早すぎるのでもう少しゲームしていても大丈夫そうだ。

場所と時間の返信にスタンプで反応だけして画面に視線を戻す。ちょうど最初の仲間とのイベントが始まったところだった。



◇◆◇



「槙さーん。」

「お、来た。」


週末の駅前はなかなかに人が多い。近くに期間限定のビアガーデンが開かれているとあちこちにポスターが張ってあって、そちらに向かっていく人の波に苦戦しつつ彼の元へなんとか辿り着いた。


「この駅初めて来ましたけど、比較的新しい感じですね。」

「数年前に出来た新しいとこだからね。近くに大きめの広場があって、この時期は地域主催でビアガーデンやってるんだよ。」


大学寮とかもあるから若い子達がすごいんだよねとすぐ傍を通った大学生っぽい集団を見ながら言う。確かにどちらかというと若い人が多い気がするが、アタシ達もまだまだ若いからね槙さん。


「じゃぁ、今日はアタシ達もビアガーデンに?」

「いや、前から気になってた店に良い機会だから行こうかなって。ご飯が美味しいらしくて。」


ほら、と見せてくれたスマホを覗き込むとお店のウェブサイトだった。料理は確かに美味しそうで、これは期待しかない。

人の波に逆らうように進むのも、槙さんが上手いこと誘導してくれたおかげで苦にはならなかった。

やはり紳士だ。

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