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全滅どんまい②

「なんで此処にいるのよ。」

「いや、コーヒー飲みに来ただけですけど。」


イケメンに見られてるかもしれないからか振る舞いは可愛く、発せられた雑な言葉は小さい。大丈夫、こっちなんて全く見ずに接客してるから安心してほしい。


「貴女達のせいで逆ハールートが狙えなくなっちゃったじゃない。」

「そう言われましても、自業自得としか言えませんが。」

「…、やっぱり貴女も転生者なのね。」

「あ。」


猫被りの狩野さんよりこっちの方が話しやすくてつい誤魔化さずに返してしまった。眉間の皺が増えてる気がする。


「何なの。そういう設定をお願いしたわけ。」

「…アタシは適当に頼んだだけですよ。ここに来たのは事故みたいなもんです。」

「ふーん。私はね―。」


聞いてもいないのに語り出す狩野さん。自分と同じ列車事故の被害者で、元々は女子中学生だっていうんだから驚きだ。この世界は社会人のヒロインの乙女ゲームらしい。中学生からいきなり社会人!?とだいぶ焦ったけど、一応乳児からここに居るからその間の知識もちゃんとあると怒られた。


「え、それなのにそんなに残念なんですか?」

「貴女、失礼すぎる。…ねぇ、お願いがあるんだけど。」

「嫌です。」

「即答しないで聞けや。」


おぉ、口調も崩れてきた。まだ取り繕ってるのか。


「貴女達のせいでもう隼人君のルートしか残ってないのよ。お願いだから協力して。」

「だから自業自得なんですから自分一人で頑張ってくださいよ…。」


あのイケメンは隼人という名前らしい。そしてやはり取引先のイケメンも駄目になっていたか。予想より早かったなぁ。彩子の仕業な気がしなくもない。

面倒なことはしたくないからなんとか断りたいのだが、彼女はバッグから一枚の紙を取り出した。


「これは?」

「誓約書よ。貴女もあの女に書かされたでしょ?」


渡されたのでそのまま手にして上から目を通す。一番上の誓約書の文字に、確かにあのイケ女の字だとメモ帳の自分のソレを思い出す。

箇条書きに書かれている内容を一つずつ見ていくが、自分のようにぶっ飛んだものではなくいたって普通というか。他人のなんて見たことないか分からないけど。


「…!最後…。」

「そうよ。これ書いた人全員そうだって聞いたけど。貴女もそうなんでしょ?」


一、故意でなくとも著しく逸脱した世界となった場合はその時点で違反とみなし存在の抹消を行う。


彼女が何番目にイケ女と話したのかは知らないけど、アタシ以外の全員この文章が盛り込まれているのだろうか。

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