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運命の人よ、どこにいるんだ②

「まぁそんな感じなんで、当分誰かと付き合うとかないかなぁ。」


運命の人さえ分かればまた違うんだけど、メモを見ても一目惚れされた事実のみしかなく相手の情報は不明のままだ。向こうがストーカーしてくれていればいずれ会えるかもしれないけど、それはそれで複雑な気分になる。


「彩子はさ、もし道端ですれ違った人に一目惚れしたらどうする?」

「どうするも何も、接点も何もない人間に惚れてその先どうにか出来るとは思えないけど。ストーカーでも無い限り。」

「だよねぇ。」


これ、向こうが冷めたら飛べるようになるのかな。でもそれだと運命の人にはならないわけだから、必ず接触があるんだろうけど。

良く行くお店の店員さんとか、ワンチャンありそうだし。


「なに、付き合う気ないとか言っておいて一目惚れしてんの?」

「いや、例え話よ。引っ越してくる前の友達に聞かれたことあって。」


探るような視線に適当な返しをしてストローに口をつける。駄目だ、モヤモヤする。

スマホに通知が来たので確認すると、先程まで一緒だった船橋さんだった。彩子に怒られたらごめんと土下座絵文字と共にある。問題ないとだけ返してスマホをしまうと、今度は向かいの彼女のソレが震えた。


「もう…。兄貴といい、船橋君といい、過保護なんだから。」

「大事にされてるならいいじゃん?」

「私は彼氏に大事にされたい。」


可能ならイケメンに、と大真面目な顔で言うんだから笑うしかない。自分もさっさと元彼を忘れてしまえるくらいの恋愛がしたいものだ。


(一人でフラフラしてたら声掛けてくれたりするのかな)


一目惚れしてくれた相手に自分も同じ感情を抱けるかはともかく、せっかくならどんな人か見てみたいのはある。イケ女さんにもう少し我儘言っておけば良かったかもしれない。


「そういえば。会社の周年記念の話聞いてる?」

「何それ?」

「来月うちの会社20周年なの。毎年お祝いはしてるけど、多分今年は派手にやるじゃないかなって。そろそろ出欠確認の時期だし、那智は初めてだから上司が先に言ってると思ったんだけど。」


それは初耳だ。なんでも毎年決まった場所で食事会をしてたいたが、節目とのことで豪華にやるんじゃないかと社員の間では噂になってるらしい。良い所の美味しいご飯とお酒が飲めるのか。楽しそうだ。


「良いねそれ。まだ交流出来てない部署の人と会えるのか。」

「そうね、交流会も社員旅行もきてないしね。歓迎会もうちの部署内だけだったし。」


うちの部署は良い人ばっかりだったので、他もそうだと期待したい。

厄介なのが総務に二人いることはこの時完全に頭から抜けていた。

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