雨とお誘い②
一度帰宅して槙さんにもらった連絡先へメッセージを送ると、彩子が飲んだくれてる写真と共に返信がきた。この後予定あるって言ってたのにまだ飲んでるのか。止めた意味ないじゃんか。
(雨だからあんまり気合入れて準備しなくてもいいか…)
一応男性と二人で食事だからそれなりの格好はしたいが、如何せん土砂降りだ。出るギリギリまで雨の確認をしてるのも嫌だから、さっさと諦めてそこそこの格好に着替える。さっきまで着ていたワンピースが濡れてなければそのままでも良かったんだけど。
スマホでルートの確認と交通費を調べる。乗り換えが一回あるけど改札内だから、切符を買うのは最初だけで良さそうだ。
濡れても問題ないバッグに必要最低限のものだけ入れてスニーカーを履こうとしたところで、借りた傘がそのままなのに気付く。軽く水滴をはらって玄関で乾かす為に広げておけば帰ってくる頃には畳めるだろう。
自分の傘を手に取って外へ出れば、先程よりは弱くなったが以前振り続けてる雨。
駅に着くまで酷くならないといいけど。
◇◆◇
『次は△△△、お出口は右側です』
雨のおかげかそこまで混んでない電車内にアナウンスが流れる。少し遅延はしたが待ち合わせには間に合ったので良しとしよう。
初めて降りる駅にワクワクしながらホームから改札へ。本道さんに連絡を入れて改札を抜け、とりあえず賑やかそうな北口へ向かう。雨は小雨になっていた。
エスカレーターで地上へ降り、ロータリー周辺で目立ちそうなものはないか探してみる。
すると丁度良くスマホが震えた。
(北口…の花屋さん?)
どうやらこっちの出口で正解だったらしい。近くの案内板に場所が書かれていないか見ようと近寄った時、肩を叩かれた。
「杉浦さん、こんばんは!」
「わっ、こんばんは。お仕事お疲れ様です。」
振り返ると満面の笑みの本道さんが元気良く挨拶してきた。
初対面の時の作業着姿とは違い、私服姿の彼は更に若く見える。帽子を被ってたせいでペタンコだと言っていた髪もシャワーを浴びたのだろう、ちゃんとセットされていた。
普通にイケメンで驚き。
「なんか、この前と印象違いますね。」
「え!?似合ってないですか!?」
「いや、格好いいですよ。」
アタシの言葉を悪い方に受け取った彼がシュンとしてしまったので慌ててフォローを入れる。
これは彩子が見たらテンション上がりそうだ。後で写真撮って送ってあげよう。




