現在取り調べ中③
「なんで復縁出来る可能性があると思ってんだか。」
ねぇ槙君、と彼に聞いたところで困ってしまうだけな気もするけど。
「そう思わせる隙が彩子ちゃんにあったとか?」
「そんなの見せたことないけど。」
「無意識かもしれないだろう?あとは彼奴の勘違いだけど。」
「勘違いならあるかもよ。石井さん、昨日彩子が早退したって聞いて真っ先に連絡しようしてたから。二日酔いだって発覚するまでは『僕のことを考え過ぎて倒れてしまったんじゃないか』とか思ってた可能性も。」
「え、気持ち悪っ。」
自分の腕を擦りながら嫌悪感満載の声を出す彩子を見て、協力要請を突っぱねて良かったと思う。頼んであったパスタを渡してくる槙さんも苦笑いだ。
「まぁ何かあったら教えて。俺から言っておくから。」
「ありがとうございます。」
昨日のやり取りを石井さんからも聞いてるであろう槙さんが心配してくれるので素直にお礼を述べる。なんでこんな良い人が石井さんの友人なんだろうか。
「…ねぇ。」
「ん?なに?」
「二人、なかなかお似合いじゃない。」
「「は?」」
ほら息ぴったり、なんてケラケラ笑う彩子に水をぶっかけたい。いきなり何を言い出すんだ。
「なんか落ち着いてる感じっていうの?槙君フリーだったよね?」
「いや、フリーだけど、なんで、いきなり?」
「彩子、流石に槙さんに失礼だから…。なんなら彩子との方が…。」
「私は亮君にイケメンを紹介してもらう約束だからいいのよ。」
アタシのハイボールを勝手に飲み始める彼女にこれ以上お酒を与えるのは止めた方がいいと思った。同じことを考えてたらしい槙さんはすぐにお水を出してくれる。
文句を言う彩子とグラスを交換していっきに空にする。今日はこれで終わりにしないとだな。
「アタシは彼氏作る気ないから。」
「えぇなんで!?」
「…ずっと忘れられない人がいるのよ。」
飛んだ先で彼氏を作る度に、どうしても元彼と比べてしまう自分がいた。忘れる為に交際をするという手段はアタシに合っていないらしい。
それでも、死ぬ前より頑張ってると思いたい。
「ずっとって、学生時代の男?」
「んー、まぁ、そんなもん。」
「そんな時期の感情なんてたかが知れてるわよー。槙さん駄目なら亮君に紹介してもらう?」
だから槙さんに失礼だってば。




