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#どこにでもある異世界転生ファンタジー   作者: 鴉野 兄貴


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二四歳 自律式増殖地下鉄道ハイパーループを完成させるぜ!

 さて、ニホンですが地上の新幹線駅を巡って各都市が利権を争っているそうです。

 しかし我々の間では新幹線より早い民間鉄道を完成させたいと驚きの話が持ち上がっています。


「地下鉄の拡張ですか? 確かに一応できますが」

「出来るのか! さすがカミラちゃん! 早速やろう!」


 カミラさんの能力で大阪を中心にしてハイパーループを通そうとニーホリが申しており。

 あくまでカミラさんの能力は大阪地下街ですからね。そのうち年中改修している横浜駅みたいにこの世界を大阪地下鉄が侵食してこの世界の人類危機になるかもですが私たちにとっては願ったり叶ったりですから問題ないです。


 ハイパーループは真空チューブ内を空気抵抗のない超高速で運送可能な交通輸送手段です。北海道、大阪、九州、あと『南方信託統治領』を瞬時に結びます。

 東京が入っていないのはご愛嬌です。飛行機を使いましょう。『南方信託統治領』新京都ことパ・ガ島には別系統の技術で軌道エレベーター建設計画が進んでおり、その上の宇宙港を含めての大規模な民間交通の要衝となります。首都である東京を入れられないのは。


「この世界は人口が多いため戦争やダンジョンに人間をおびき寄せて殺さなくともダンジョンを拡大できますが、恒久的に維持したいのでしたら大阪を中心に三つが限度です。世界大戦でも起こしてくだされば東京にも駅を作るだけの死者が確保できますが、これから四〇年を目処に自然に老衰で死ぬ方々を考慮に入れたら北方領土と沖縄、そして本命の島が限界です。これでも本当は島と大阪までにしたいのです」


 肝心のカミラさんが体力の限界を訴えているので無理でしょう。なんでもニホンは地震大国で本来地下にハイパーループを通すのは無理があるのですが、カミラさんの能力なら問題なく運用できるのが発覚したのです。


「確かに私、過去に大阪地下鉄を動かしましたけどあの頃とは技術も規模も違うのですが。つまりこれをダンジョンコアに作らせろということは私にこの各論文内容を理解しろと言うことですよ!? いくら特許料金要らなくても無理でしょう!?」

「いや! カミラさん! 今までちゃん付けで悪かった! キミは一族の恩人だったのか! でもやってくれ(キリッ)」


「ニーホリ。あなた鬼ですか。カミラさんは新婚ですよ?!」


 ニーホリは無茶言います。学費は出すとのことでカミラちゃんは短大卒でもう谷口家のお嫁さんになっているのに留学の憂き目にあいました。



 ところで地下鉄云々の意味がわからないので説明を求めると大昔に深夜にも関わらず大阪地下鉄のゲートが開いていて電車もなぜか動いており多くの人が助かったことがあるそうでその中にニーホリの先祖もいたそうです。


「ヨーイチのひいおばあちゃんを守るためにやったことだから」


 うん。でもその話聞いたけどカミラさんの立場なら私もそうしたかも。


「あ、カミラちゃ……さん。ロシアがどうやって聞きつけたのかうちに駅作れって言ってきたのだが」

「北方領土までは可能ですとお伝えください。意味は向こうでも調べられるでしょうから」

「台湾は」

「私の能力は大阪の地下が限度。百歩譲ってニホンに信託領を預けているか、ニホンが領土と考える場所までがさすがに限界ですよ! 沖縄は一応日本が領土権を主張していますからできなくはないでしょう。が、この世界で言えば日本が国家として認めていない『台湾琉球連合』地域の領土で『共産党』さんの領土です。本当は大阪地下街が限界です! ガス管などから一時的に繋げますが恒久的になるとほぼ無理です! ニーホリや『国鉄』さんが頑張ってくれそうだから維持できそうと予測できたのです。けど私に万が一のことがあったら崩壊しますよ! ガバガバな計画はやめてくだされば大変助かります! というかヨーイチの子供欲しいし……」


 カミラちゃん。最後真っ赤になっています。


 吸血鬼と人間の間は一応子供ができますがこちらで育てるのはとても面倒なので難しいです。いっそヨーイチさんにこちらの国籍をとってもらおうかな。爵位もあげないと。お父様やシンジュお母様がいくつか領と爵位を持っていますしなんとかなるかと。



 かように無茶な軌道エレベーター建設は万難を排して早急を求むる案件らしくニーホリはあくまでもそれを強行したいようです。


「三年ほどでパガ島と大阪直行トンネルが作れるそうじゃないかダンジョンとやらは! 確かに悪用したら国なんて地下から不死者の大軍で労せずしてほろぼせるな。納得の力だ!」


 まあ世界を滅ぼすには充分な力ですから。伊達に魔王の力と言われません。ただこっちの技術とあちらの技術が相まって恐ろしいことになっていますが。私たちのダンジョンは本来は核攻撃や地殻変動には耐えませんからねさすがに。国交を結ぶのを諦めましたがその気になれば対等になれそうです。日本ではなく某国とかもっと大きな国々を地下から滅ぼして残った日本政府をごにょごにょ。


「ところで尼崎と伊丹はどういう扱いなのカミラさん」

「え? そこ、大阪じゃなかったの?」


 後で知ったことですがニーホリたちからすれば異世界の人であるカミラさんがそう呟いた瞬間、尼崎駅構内と伊丹空港で謎の地震が起きた模様です。そんなところまで侵食していたのですか。そちらは兵庫県です。


「おま、尼崎と伊丹を大阪に組みこもうとは兵庫県民の俺に喧嘩売っているなカミラさん!」


「お黙りなさいニーホリ。それよりなぜそこまで急ぎますか。あなたの本業は食品でしょう」

「知っているだろうけど、マドカの実家は日本と書いてヒノモトっていう名門でね。国内有数の総合商社だが実質俺ちゃんとマドカが乗っ取っている」


 なんでもニーホリが目をかけているマコトの息子さん(※お会いした限り若い女性にしか見えませんが)が成層圏まで観光客を空輸したりスカイダイビングさせたりといった成層圏観光事業や、小型気球による惑星規模通信網を構築していてその宇宙観光の前線基地としても軌道エレベーターは大事だと言うのです。



「ハイパーループで赤道直下のパガ島から宇宙港まで一直線だ。宇宙港を作るなら軌道エレベーター上に置くのがベストだからな。そこに出資するのは当然だろう。宇宙観光はうちのミライくんがやっている事業でね。まだ俺は原資を回収しきれていない。ここでお金を出さずしてどうする」



 この話、SFだったかしら?


 なんか我らが王がいうに『王位をしばらく宰相と弟に摂政任せてこっちの世界でカミラと学びたい』そうです。


 浮気は許しませんがいいかもしれませんね。アメリカとか私も住んでみたいです。


 ゾンビの軍団で滅ぼす前に。あ、これは冗句ですわ。可能でしょうけど。

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