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久歳 もふもふお茶会だぜ!

 いでよどらごんさん!


 活舌が怪しかったのは昔の話、今はかなり良くなりました。

 お歌や演説が出来ないと貴族令嬢は干されたりしますからね。


「なんだ。なんの用だ」

「あそぼ!」


 しろいもふもふさんは優雅にお茶会の茶を淹れていた猫耳に視線をやります。

 足元ではもっこもこの黒いのが怯えながら私たちの前に健気にも立とうとしており。


「おおおおお?! このドラゴンはなんでしょうか?!」


 辛うじて身分のある相手には直接話しかけないというルールを守った猫耳のルシアは褒められて良いと思います。ドラゴンに対して直接話しかけたり『この』扱いしたらブレスかもですけど。

 貴族よりドラゴンのほうが当然上です。


「余の家来」

「殿下辞めて?! その、友達みたいな感じ?」


 暴風の中、お茶を優雅に口に運ぶ九歳児は殿下です。

 王の器たるものドラゴン相手でもビビったりはしません。


「ちょっとちびりかけた」

「……殿下ぁ……わかりますけど」


「ほう、我を家来呼ばわりとは次代の王は肝が据わっておる。これは次代も加護を与えねばなるまい」

「有難き幸せです。龍王殿」


 臣下の礼を見せる婚約者ですが、これは我が国が竜王国の配下にある国だからです。

 正確には竜帝国でしょうか。


「久しいな。その猫と犬は」

「友達みたいなものです」


 がんばって吠える犬を意にも介さず竜王は告げます。彼ももふもふです。ふわっふわです。


「余らの馬かわりだ」

「いつも背中に乗せて遊んでくれます」


 超可愛いですよ。

 あ、メイド姿の猫耳ルシアはなんとか恐怖に耐えて私たちの間に立とうとしています。

 竜って言葉だけで人間を殺せるのでなかなかの肝の据わりっぷりです。


「|ごしゅじんさま<<カネヅル>>をまもりたい!」


 素晴らしい忠義カネヤランです。


 竜王はくてんと頭を下げてもふもふ一匹と一人のぺちぺちを受けています。楽しそうです。


「このー! この~! ご主人さまたちはわたしがまもるの~!」

「わんわん!」


 いい子たちです。

 竜王さんも目を細めています。


「うむ。実にあっぱれだ。お前たち二人にも加護を与えねばな」


 この竜はボーナス配りすぎな気がします。


「というわけで」

「というわけで」


 ルシアはなんか鱗のペンダントをもらいました。

 いぬのブラックは人間の姿になれるように……。


「パンツ」


 私と婚約者は呆れています。

 流石いぬ。いろいろとデカいです。

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