可愛い過ぎる私の婚約者 婚約者とプール
連載第四話『婚約者とお出掛け』の続きです
まとも?の王子かな?
今日は、私の可愛い婚約者と出掛けている。
この前、ちょっと(だよね?)やりすぎたから、私室に招くと明らかに怯えてしまって、その挽回に。
まあ、公務に付き合わせている。
公式訪問というもので、今は、孤児院からの移動中だ。
婚約者だからね、彼女を同伴させるのは、当たり前だろう。
それに彼女は、子供が大好きだ。
今日も子供たちに仲良く遊んでもらった。
うん、やっぱり子供たちが、彼女と遊んでくれた。
彼女は、一緒に遊んでいるつもりだけどね。
私としては、彼女の笑顔が見られたから、どっちでもいいけど。
駆けっこ、鬼ごっこ、何も無いところで彼女がよく転けていたのは、何故かな?
隠れんぼで見つけられなくて、泣きそうになっていたのは、誰かな?
彼女が教えた新しい遊び、じゃんけんで、負け続けていたのは、誰かな?
彼女のスカートの中に頭を突っ込んだ子供がいなければ、私も色々な彼女の顔が見られて楽しかった・・・だろう。
三歳の女の子だったから、まだ許してあげよう。
うん、許せる。きっと許せる。許せると思う。
子供たちと遊んだから、彼女の機嫌もよくなっている。
これで、少しは挽回できたかな?
せっかく馬車で二人っきり・・・には、なれない。
護衛と侍女も一緒だ。
いないものとして扱うのは、いつものコトだけど、照れる彼女は独り占めしたいから、今は我慢しよう、出来るだけ。
「暑くなりましたね。」
窓の外を見ながら、彼女が言った。
夏になってきたから、陽射しがきつく、気温もぐんぐん上がっている。
暑さで体調を崩す者も出始めた。
民の涼の取り方も考えなければならない。
「こんな時は、プールがいいのかい?」
彼女に聞いてみる。
答えてくれるかな?
「あまりにも暑い日は、プールが中止になってしまうのです。暑さ指数というものが設定されて・・・。」
機嫌は、直っているみたいだ。
良かった。
知らない世界の話は、面白い。
けどね、水着は、無理かな。
確かに濡れると服が身体に密着するから、最初からそういう専用の服ー水着を着るのは分かる。
分かるが、水着を着た彼女を見るのは、私だけにしたい。
護衛やらなんやらで、外で彼女と二人でには、なれない。
魅力的な彼女の身体を他の者には、見せたくない。
減る、彼女が確実に減ってしまう。
もったいない。
けれど、二人で水の中で遊ぶのは、とても魅力的だ。
どうしたらいいのかしっかり考える価値はある。
「でも、水温が高くても、体温が高いとプールに入りたくなるのです。」
体温?体温が高いということは、熱があるということだよね?
熱があると、プールは、入れないと前に言っていたよね?
「身体を冷すという意味は分かるが、負担が大きいんじゃないかな?」
身体の熱が下がりすぎたら、それはそれで問題だ。
やんわり間違いを正してみる。
「熱がある時は、プールに入れないないだよね?」
それとも彼女の言っている体温と、私が知っている体温と意味が違うのかな?
「熱?体温って、空気のおんど・・・!?」
間違いに気がついて、彼女は、真っ赤になって、俯いてしまった。
その姿が、可愛い。
気温と体温を間違えていたのか。
うんうん、よくある言い間違いだね。
そんな間違いも、彼女がするから、とても可愛く思える。
いつまでも見ていたいけど、どうにかしてあげないとね。
そういえば、話のなかに気になる単語があった。
暑い季節によくなる病気(?)らしい。
「熱中症とは?」
異世界だけの病気ならいいが、こちらの世界でも起こりそうな病なら、対処出来るようにしておきたい。
「熱中症は・・・。」
さっきの言い間違いから立ち直れず、まだ俯いたままの彼女は、それでも知っているコトを一生懸命話そうとしてくれる。
この世界は、前世持ちを差別はしていないけれど、嫌悪している者は多い。
彼女は、自分がどう思われようが構わずに惜しみ無く前世の話をしてくれる。この世界に少しでも有益になるように、と。
だから、私は、彼女が好きなんだ。
私は、彼女だから、好きなんだ。
彼女が何も持っていなくても、きっと好きになっている。
あっ、また捕まった。
鬼になったね、何回目?
子供たちが、困った顔になっているよ。
違う遊びにしてくれるみたいだよ。
泣きそうな顔をしないで。
空き室を探したくなるから。
ほらほら、遊ぼうと子供たちが、来てくれたよ。
うん、遊んでおいて。
けど、スカートは、捲ってはいけないよ。
その綺麗な足を見ていいのは、私だけだからね。
彼女以外は、どうでもいい王子様です






