きざむ
あ
と思う
私の脇をすり抜けていった
私の手から零れて壊れた
私の周りに埋もれた
言葉たちに
塵を積み上げて山にするのも
何千年が積もって大宇宙になったのも
その一粒にも満たないそれを刻み込むのも
全て
宇宙に埋もれたひとかけが
私と同じ大きさまで成長するのは
ひとかけが集まって
塵の山が集まって
今を呑み込むのは
全て
これまで逃してきたそれを
忘れないように
消えないように
刻み込む
私の言葉で
いつか宇宙になるために
いつかが今に近づくために