表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

三話

 ふう……、とりあえずこれで一通り主だった人達には挨拶しおわったかな?


 右手につけている腕時計を覗き込むとイベント終了までには中途半端に時間が余っている。


 酒の量もなんとかセーブできたし、一度家に帰って休もうかな? イベントの締め挨拶もあるし……。


「カズヤく〜ん」


「ああ……瑠菜ちゃん、こんばんわ」


 深い切り込みの入ったタイトスカートのスレンダーな美女が声を掛けてくれた。


「ねえねえカズヤくん、いつになったら私を彼女にしてくれるの〜?」


 ああ、そういえば何日か前に告られてたんだっけ?


「どうかなあ?……その話ならまずは友達から始めようか?まずはお互いを理解しあわないとだからさ」


「うそ〜!そんなこと言ってこの間、女の子二人侍らせてたじゃな〜い。一体誰と付き合ってるの〜? OL? ショーガール? もしかしてモデルとか?」


「ははは、どっちだろうね?」


「ええ〜、なにそれ〜? まあいいや彼女の枠空いたら電話してね。でも和哉君、そんな態度ばかりだと本当に好きな人が出来たとき辛くなるよ〜?」


「そうだね、肝に命じておくよ」


 瑠菜ちゃんからの忠告を耳に入れてとりあえず別れる。


 彼女は数年くらい居ない。


 一応数人程度は付き合ったことはあるけれど、男女交際というものは疲れてしまう。


 やれバレンタイデーだとかクリスマスだとか記念日だとかで、男は春夏秋冬どこをとっても気が抜けるときがないじゃないか。


 だから今は一人でいい。


 それに今は将来にとって大事なときなのだから……。


 だがたまには息抜きも必要だ。 気の置けない友人達との会話が……。


 それに女の子は付き合うと面倒くさいけれど友達としては最高だからね。


 タイミングよくメールが届いたのでVIPルームへと僕は戻る。


 ふと先ほど言われていた言葉を思い出した。


 そんな態度じゃ好きな人が出来たときに辛くなる……か。


 果たしてこれから先に本当に好きな人が出来るのかな? なんとなく今まで出会ってきた女性達の顔を思い出す。


 だがその誰もが嫌いではないけれどあえて大事な時である今を放棄してまで付き合ってみたいと思う人は居なかった。


 結局はそのときになってみないとわからないよね。


 無駄なことを考えてもしょうがないか。


 ホールから抜け出てVIPルームへと続く扉を開いたときには一瞬だけ考えたそれは忘れ去っていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ