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狐に化かされるのは嫌だという話

作者: 下衆人

昔はこんなことがあったという話。

ある時私の祖父ちゃんが愉快そうに聞かせてくれた話。

祖父ちゃんの親父の話。

 

曾祖父ちゃんが若い時の話だ。

 

曾祖父ちゃんの若い時は、まだまだ夜は電灯も少なくて、近所は夜中は真っ暗だった。

曾祖父ちゃんは夜中にお土産を持って帰っていた。

すると、突然霧のような靄が現れた。

だけど曾祖父ちゃんは冷静だった。

知り合いの話を聞いていたからだ。 

こんな不思議な話だった。

  

曾祖父ちゃんのとある知り合いのおっさんが、ある夜お酒を飲んでぷらぷらと歩いて帰っていた。

そのおっさんはお稲荷さんをお土産に持っていたらしい。

おっさんは、温泉を発見した。

その温泉は道端に沸いていて、その人は疑問も持たずにすぐ服を脱いで温泉に入った。

酔っぱらっていたからだろう。

温泉はほどほどに温かくて、たっぷりと湯を堪能してさて帰ろうかと立ち上がると、お土産が無い。

おっさんは慌ててお土産を置いた辺りを探したが、見つからない。

そしてだんだん酔いが覚め始めたのか、とある臭いに気づいた。

自分が浸かっていたのは肥溜めであることに。

なんということだと思ったが、もう後の祭りで。

おっさんは、くさい臭いと共に家に帰ったのであった。

 

曾祖父ちゃんはお土産を盗ったのは狐の仕業だと考えていた。

曾祖父ちゃんはすぐお土産をしっかりと抱き直し、その場で煙草を吸い始めた。

しばらくすると靄は晴れており、お土産も無事であったという。

曾祖父ちゃんはお土産を盗られずうちに帰れたそうな。

 

私は昔は狐に化かされることがまあまああった時代に生まれなくてよかったなあと思った。

肥溜めには絶対浸かりたくない(当たり前)。

 


庭に狐がマジで現れます。怖い。そんな田舎なうち。

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