表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄を告げられる、その瞬間は突然やってきてしまいました。~人生何があるか分からないものですね~  作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/2

ー前編ー

「悪いが君とは生きないことにした」


 その日、婚約者である彼リーゼロットは、リリラという私は知らない女性を連れて現れた。


「君との婚約は破棄とする」


 そんな彼が告げてきたのは関係の終わり。

 二人の関係性を一瞬にして叩き壊してしまうもの。


「あのぉ……あなたが、リーゼロットさまの?」

「はい、婚約者です」


 するとリリラはふっと笑みをこぼす。


「ふぅん。やっぱりダッサぁい。リーゼロットさまから聞いていた通り、ダサさの極みみたいな人。……ふふふっ、残念でしたぁ」


 そんな失礼な言葉を投げつけてきて。


「リーゼロットさまに相応しいのはぁ、やっぱり、あたしみたいなとっても素敵な女の子よね。あなたみたいなパッとしない人、リーゼロットさまには相応しくない……っていうかぁ、まぁ、結婚とかあり得ないですよねぇ」


 さらに挑発的な言葉を幾つも並べてきた。


「ねえ、本気なの? リーゼロット」

「もちろん」

「本当に婚約破棄するのね」

「ああ」

「でも……いいのかしら。そうなったら、周りに色々迷惑がかかるわよ。これまでお世話になってきた方々とかにも」


 そこへ口を挟んできたのはリリラ。


「いいんですよ! あとはあたしに任せてくださいっ。あなたはもう要らない人ですから……うふふ、大人しく泣いていればいいんですよ」


 またまた感じの悪いことを言ってくる。


「ね、リーゼロットっ」

「ああそうだな。リリラほどの魅力があれば何だってできる。わざわざ婚約破棄するほど愛してしまった、という僕の気持ちだって、きっと皆理解してくれるはずだ」

「やったぁ、嬉しい嬉しい嬉しいっ」

「リリラ、君は何も気にしなくていい。そうやって笑っていてくれればそれでいいんだ。それだけでいい」

「ありがとうリーゼロット! 優しくて、だーいすきっ」


 こうして私は彼に突然切り捨てられてしまった――のだが。


「うわあああああああ!!」

「きゃあああああああ!!」


 リーゼロットとリリラが帰ろうと私の家から出た瞬間、まさかの出来事が。


「うわ! うわわ! うわあ! や、やめ! やめ! やめろ! やめてくれえええええええ!」

「もおおおおおお! 何なのよこれ! あっちいって! あっちいって! 寄ってこないでって言ってるでしょおおおおお!」


 というのも、二人は蜂の群れに襲われてしまったのだ。


「さ、刺すな! 来るな! 向こうへ行けっ、うわ! うわ! わ、わ、わわわ! うわあ!」

「来ないで! 来ないでよぉ!」

「おい! リリラ! 盾になれ! 僕を護るんだ!」

「は、はあ!? 何よそれ……あたしを盾にするつもり!? 嘘でしょ、あり得ない……あり得なすぎる!」


 しかも途中で仲間割れ。

 どうやら互いに本性を隠しきれなかったようだ。


「あんたこそ! 男なら前に出なさいよっ。こういう時こそ護りなさい! そういうものだし、そうであるべきでしょ!? 愛してるんなら!」

「馬鹿なことを言うなっ。無理だっ。……って、う、うわ! わ! おわわわわ! うわあ!」


 この辺りで蜂を見かけることはあまりない。なので私も驚いた。そんなことが急に起こるものなのか、と。滅多にないことだからこそ驚きがあったし、慣れていないだけにどう対処するべきかも判断できなくて。危険性がある以上この身一つで助けに行くわけにもいかないので様子だけ見守っておくことにした。


「どうして! どうして助けてくれないのっ、愛しているのに助けないなんて! お、お、おかし、い……じゃない、きゃあ! いや! やあああああ!」


 ……彼らは蜂の攻撃により落命してしまった。


 日頃の行いが悪かったからか。あるいは偶然か。そこは分からないけれど、蜂の群れに襲われた彼らを助けようとする者はいなかった。彼らを見捨てたのは私だけではなかった。その時、誰もが、危機的状況にある彼らを無視していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ