最強の生物
最強の生物
神の国で、二人の神様が雑談をしていた。空の神と、大地の神の二人だ。
「なぁ大地の神よ。地球で一番強い生物は、一体なんだろうな」
「生物ピラミッドの頂点にいるのは、人間でしょう」
「いや、そういう話じゃない。私が考えるに、武器が無いのに生きていられる生物が、最も強いのではないか」
空の神は、大げさに手を広げ、羽ばたく動きをしながら言った。
「鳥の中で最も、空を飛ぶのが速いのは、ハヤブサだ。空の王者だ」
「そうですね」
「だが考え方を変えてみれば、ハヤブサは『飛ばないと生きていけない』生物だ。もしも翼を怪我して飛べなくなったら、もうハヤブサは生きていけなくなる。死ぬしかないわけだ」
「なるほど」
続けて大地の神がこう言った。
「地上ではチーターが最速ですが、足を怪我したら終わりですね」
「人間は知能が高いだけで、道具が無いと何も出来ない。野生に放り出せば、すぐに死んでしまうだろう」
「これといった武器、長所を持たず、それなのに生きていられる生物が、最も強いと?」
「私の中の定義ではあるがな。しかし問題は、そんな生物が実際にいるのかどうかだ」
「なにかいるはずですよ。考えてみましょう」
二人の神はしばらく議論し、結論を出した。
「ナマケモノだな」
「ですね」
おわり




