表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/11

第3話: 覚醒した心と村の問題

魔物の襲撃が過ぎ、村に再び平穏が訪れた。ヒカルは領地経営を進める決意を高める一方、ヒカルの心の中には未解決の問題が重くのしかかっていた。進化ガチャの力で村は確かに発展し、魔力泉や浮遊する道のような力を得た。しかし、それらがもたらす影響は予測できず、村を取り巻く環境は日々変化し続けている。


「このままじゃ、また何か起きるんじゃないか?」


村人たちはヒカルを信じている。守護者が魔物を追い払ってくれたおかげで、村の人々は再び安心して生活を始めた。しかし、ヒカルの心の中では、不安が膨らんでいた。進化ガチャによる「変化」が、どんどん加速している。自分が力を持ちすぎているのではないか――。


その夜、村の広場で集まった村人たちと話していたヒカルは、改めて問題に向き合う決意を固めた。


「みんなが抱える悩みや不安を、ちゃんと聞かないといけない。」


ヒカルがそう考えていると、村の長老カリウスが重い口を開いた。


「実は、また新たな問題が起きているんです。」


「新しい問題?」


カリウスはしばらく沈黙した後、続けた。


「浮遊する道の一部が、突然崩れ始めたんです。魔力が過剰に溜まったのか、道の一部が完全に浮かばなくなり、村と他の地域との繋がりが途絶えてしまいました。」


「それはまずい……!」


ヒカルはすぐに村人たちに指示を出すべきだと思ったが、どうすればいいのか考え込む。彼が持っているのは進化ガチャだけ。しかし、それが村の問題をすぐに解決してくれる保証はない。


「進化ガチャを試すしかないか……」


そう思いながらも、ヒカルは心の中で不安を感じていた。進化ガチャが必ずしも良い結果を生むわけではないことを、すでに思い知らされていたからだ。だが、今は他に頼れるものがない。


「明日、進化ガチャを回す。でも……どうか、いい結果が出てくれ。」


ヒカルはその夜、村の広場に座り込み、じっと夜空を見つめていた。彼の心は、次の日を迎える不安と期待でいっぱいだった。


そして、翌朝。


ヒカルは進化ガチャの装置を前に立ち、ガチャを回した。


『進化ガチャ 4日目』


ガチャが回り、音が鳴り響く。光が溢れた後、目の前に表示された文字を見て、ヒカルは息を呑んだ。


『進化結果:魔物の群れが進化!再び魔物の群れが現れ、周囲の土地が荒れる』


「……え?」


予想外の結果に、ヒカルはその場で立ち尽くした。魔物の群れが現れるという、村にとっては最悪の結果だった。しかも、進化ガチャは「周囲の土地が荒れる」という追加の問題を引き起こしてしまった。


「どうして……?」


ヒカルはその場で頭を抱えた。進化ガチャが必ずしも良い結果をもたらすわけではないことを、改めて痛感した。だが、このままではどうにもならない。村を守るために、彼は再び行動しなければならない。


ヒカルは村人たちにすぐに知らせ、魔物の群れに対する対策を立てるために、集まった村人たちと一緒に会議を開いた。


「もう一度、あの守護者を呼び戻すしかない!」


村人たちの中には不安を隠せない者もいたが、ヒカルは落ち着いて話し続けた。


「守護者がいれば、魔物を退けることができる。しかし、それだけでは足りない。魔物が現れる度に守護者を呼び出すのでは、いつか限界が来る。だからこそ、周囲の土地のバランスを保ちながら、この魔力をうまく使いこなさなければならない。」


ヒカルの言葉に、村人たちの顔に少しずつ希望の光が差し込む。


「次は、ガチャを頼らず、自分たちの力で解決策を考えよう。」


そう決意を固めたヒカルは、村人たちと共に、進化ガチャによって引き起こされた問題に立ち向かうために、さらに知恵を絞り、行動を始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ