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作者: 河野流

 もう、ほとんど手が勝手に、そのアイコンをタップする。大量の、興味もないタイムラインにうんざりする。それでも、私は自然とその上に親指を滑らせる。あ。あった。今日もまたあの子が、呟いている。


 “本当にうざい。あんな大人にだけはならないように生きていこう。”


 何だろう、これ。何のことだろう?プロフィールに飛んで、少しだけその子の呟きを遡る。


 “親と外食してるんだけど、頭の固さに反吐が出る。このお店、規則が緩めっぽくて髪染めとかピアスとかしてる店員さん多いんだけど、いちいちケチつけてる。態度が悪いのは髪をあんな色に染めてるからだ、って。”


 “関係ない、とか言う気力も出ない。じゃあお前らの態度はどうなんだよ”


 ああ、そっか。へえ、そっかそっか。うっかりハートに色を付けないよう、少し慎重にスクロール。


 “お金貯めなきゃな。目指していることを叶えるためには、自分がやるしかないよね。”


 この呟きには返信が来ていた。だけど、フォローしてないアカウントだから見れないや。なんだ、つまんない。


 あの子は自分を知って欲しい。頑張っている過程を見て欲しい。大層な人になれても、なれなくても、そこまでの頑張りを認めて欲しい。今この世に提出したものは結果ばかりを見られて、悪ければ簡単に捨てられる。それ以前に、提出できないことだってある。


 でも、痛い。画面をブラックアウト。大きく伸びをして、PC上の書きかけの文章をちら、と見る。続きはなかなか書けない。何度も何度も読み返した。同じ文でも、何度も何度も繰り返し読む。言葉が歪んで、頭の中で崩壊しても、繰り返し読み続ける。


 私は“観る側”だから。あの子とは違うから。この文章なら、誰かのタイムラインを彩るはずだ。観察者としての分析だから。文字数に制限があって、何度も書いては消して、消しては書いて。


 “あの子は自分を知って欲しい。でも、私は…………

フィクションです^^

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