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この街で待ってる  作者: 宮下おとぎ
この街で待ってる #嘘偽リノ街
23/40

嘘偽リノ街  #15 きっと自分は後悔する。


 ”きっと自分は後悔する”


 花音を殺すなんてきっとそれは最悪の選択だろう。”少女一人の死で何が解決だ”と自分自身に憤りを感じる。そんな事を一瞬でも思ってしまった。


 何かきっと解決策がある筈だ、解決の為にも元神様的な存在にもう一度会わなければならないだろう。そう思いながら再沸騰したお湯を茶葉の入ったコップに注ぐ。


 じんわりと茶葉から出る薄く濁った色が透明な水を侵蝕していく。正に今の自分の心そのものの様に。僕はTパックの紐を持ち少し揺らす。すると先程よりも早い勢いであっという間にコップの中はいつも飲んでいるお茶の色に変わった。様々な人の考えの中には(茶葉を揺らす等あり得ない!)等の声もあるが知ったこっちゃない。


 今の自分にはゆったり待てる程心の余裕がないのだ。


 「花音、起きて」


 声を掛けたが全く起きる様子はない、むしろ寝返りで顔をこちらから背けたように見えた。…本当は声が聞こえているんじゃないかと思う程だ。


 今度はそっと方と叩く。ポンポンと2回優しく叩いたその時だった。




 激しく誰かが玄関の扉を叩いている。 


≪蜃コ縺ヲ縺薙>縲∝?縺ヲ縺薙>縲√♀蜑阪?驍ェ鬲斐↑蟄伜惠縺?≫


 まるで家全体が揺れている様な、それ位激しく鉄製のドアが殴られている。恐怖で体がすくみ動けない。それはコンコンなんて生易しい物ではないからだ。視界の前に凹みが生じていた。



  (殺される‼)


 叩く度に部屋全体が振動する。キシキシと鳴る家の中、何かが扉を叩く度に部屋の物が揺れ、遂にお茶が入ったコップが床に落ちて割れた――。


 


  その瞬間、我に返る。


 すかさず花音を抱きかかえ、気が付いたら僕は窓から外に身を投げていた。2階の窓から飛び降りた僕は両足に激しい痛みを感じたがそれどころではない、一刻も早くこの場所から離れなければならない。


 …だが、立てない。早くしなければ気づかれてしまう。お願いだ、気が付かないでくれ。


 そんな想いも虚しく、二階の階段の隙間から黒い影がこちらを覗いた。

悪意で満ちた笑顔している黒い影は足早に階段を駆け下りてきた。



 「やめろ、、、来るな!」



 なんで、何で今になってなんだ。今まで実害を加えられた事なんて無かったのに、家を訪ねて来る事なんて無かったのに。


≪縺ゅ?縺ッ縺ッ縺」縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ≫


 


 ソレは奇声を上げながら長い手をこちらに伸ばし、僕の左腕を掴んで





            千切った。




  僕の肘から下はドサッと雑草の生えた地面に落ちた。

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