嘘偽リノ街 #12 ブレイクタイムは突然に。
お久しぶりです、宮下です。
今回はちょっとラフな感じで書かせて頂きました!
ゆったり見てくださいね♪
コンコンと鳴り出したノックの音は普段聞く事が無い音でとても新鮮だった。
最後に玄関の扉をノックされたのはいつだっけ?なんて一瞬頭を過ったが、今は玄関の前に佇んでいる少女の事をすぐさま思い返した。
「居るんだろう?」という声と共にノックが鳴りやまなかった。次第にノックの音は大きくなり、“誰かを呼ぶ為のノック”ではなく、“怒りをぶつける”ノック音に変わっていく事に気が付きボーっとしていた頭が目を覚ました。
「おい、さっさと開けろ」
不機嫌な声が扉を貫いて来る。このままだと蹴り破られそうだと思い渋々ドアを開ける事にした。
「何か言う事はないのか?」
「はい、申し訳ございませんでした。」
彼女はそこに仁王立ちで立っていた。 腕を組み小さい背丈で距離を取り、上から見下ろすようにそこに立っていた。彼女は大変ご立腹の様子だった。
「ごめんなさい、ぼーっとしてて」
確かに考えてみれば家の前で何度も声を上げながらノックをし続けている姿はさぞかし滑稽だっただろう。これに関してはこの世界で良かったと考える迄ある。
イライラしたそぶりを見せる彼女は部屋をぐるりと一周回りを見まわし、部屋を勝手に物色し始めた。
「本ばかりだな、積み上げられ過ぎて本が友達なんじゃないかって疑われるぞ」
(余計なお世話だ。)
そんな事言いう彼女だが全く興味が無いわけではない様で、さっきまでイライラとしていた雰囲気なんて無かったかのように机の上に上がっている本に手を掛けている。
“「ねぇ、君の好きな本って何?」”
唐突に聞かれたその言葉に少し驚いた。彼女は不思議そうな表情を浮かべているが、こちらが驚いた理由は“彼女が他人に興味を持つ人”だった。そっちの方が驚きだ。
「好きな本は―――――。」
言い留まった。今はそんな事別にどうでもいい、今明確にするべき事は
“なぜ今彼女が今ここに居るかだ。”
「なぁ、なんでここに居るん―」
彼 女 は 本 を 持 ち な が ス ヤ ス ヤ と 寝 て い た 。
自然に、ごく自然に。まるでその場に溶け込む様に彼女は寝ていた。
これは起こすべきなのか、だが今の時代は法令順守的にダメなんじゃ―――。疲れてるだよね、きっとそうだよね、うんそうだ。
彼女をマジマジと見つめるのも場の空気的に嫌なので静かに一番近い本を手に取り読み始めた。
内容は全く入ってこなかった。




