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この街で待ってる  作者: 宮下おとぎ
この街で待ってる #嘘偽リノ街
16/40

嘘偽リノ街 #8 前任者

(分からない事ばかりだ。)



 この世界に来てから数時間が経った。僕は今、田舎の畦道のような場所を歩いている。葉っぱの匂いが混じった生ぬるい風が気分を害する。先を行く彼女は全く気にならない様だった。


 散々泣いた後の彼女は僕に辛辣な態度を取っていた気がした。今はこっちを向いてすらくれない。足早に彼女はこの道の先に見える林のような場所へ向かっている。


 林へ向かうにつれて違和感に気が付く。

 

 (知ってる匂いだ)

  

 林の奥から吹き抜ける風を僕は記憶の何処かで覚えてる。

 

 (お茶の匂いだ...。)


 

 「おい、遅いぞ」


 彼女は林の入り口で振り返り僕に声を掛けた。

 


 「あの人が待ってる、早くついて来い。」


 

 目の前に見えたのは先が見えない長い階段と大量の鳥居。その場所は独特の雰囲気を醸し出して生き物が入る事を拒んでいる様だ。この周りにはあの化け物達は居ない。



 僕は階段の一歩目に足を掛けた、普段からあまり運動をしないせいか、それだけで気持ちが滅入ってしまう。


 それよりも気になった彼女が言った”あの人”一体誰なのか全く見当が付かない。強いて言うなれば、彼女が言ってた”前任者”だろう。



 「どうした?何か考え事か?」



 階段の先を行く彼女は不思議な顔をして僕に言った。


 

 「君が前に言ってた前任者ってどんな人なんだ?」



 「私も詳しくは知らないんだ。教えてくれないからな。私も今日くらい何故教えてくれないのか問うてみようかな。」

 

 どうやら彼女が言ってたあの人は前任者の事で合っているらしい。彼女の言動から察すると、前任者についてはほとんど何も知らない様だ。知っている情報は前任者の裏人格が無理やり彼女をこの世界に連れてきた事くらいで、それ以外の情報はほとんど無い。


 それよりも気になる事があった。彼女の事だ。


 先程から彼女の人格がコロコロ変わっている気がする、話し方がまるで別人の時がある。畦道で母の話をした時、あの時は純粋無垢な少女のように見えたが今は違う。言葉も威圧的に聞こえるし何より雰囲気が怖い。


 そんな事を考え込んでいたら階段を上り切っていた。



 そこには薄汚れた社、境内には沢山の札が張り巡らされていて見たこともない生き物の成れ果てのようなものが散らかっていた。その社の奥に佇んでいた。

  

 「・・・影?」


 其処には佇んでいる真っ黒な影があった。その影は微動だにせず、ずっとこちらを見ていた。

街に居た奴らとは違う雰囲気をした影がそこにはあった。



 「お久しぶりね、元神様」 と彼女は言った。





お久しぶりです、宮下です!

引っ越しうんぬんかんぬんやら色んな事うんぬんかんぬんで中々更新できずもうしわけございません!


1ヶ月以上も期間が空いてしまい、待たせてしまっていた方々に申し訳ない気持ちで胸がいっぱいでございまする!


次の話は早めに更新する予定なのでまだお済でない方はブックマークを是非よろしくお願いします!

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