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アークブレイヴ  作者: 暁辰巳
第5章 聖戦編
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第72話 合体


「....私との戦いに迷いがある訳は何だ。それがなにかはっきりしてない以上お前に勝っても拭えん」

「……やはり、あなたには誤魔化せませんね」



 突斬槍剣(アロンダイト)とアグラヴェインのつるぎが激突して硬直し合っていた。二人はゴレス神聖帝国に尽力し合い共に戦ってきた友人故、一撃交えただけで相手のことを把握する。

 ランスソッドの信念はあるが何かしらの考えがあって鈍っていたことが分かったのだ。



「……久しぶりに交えたからこそ、私の想像以上にあなたが背負わせてしまったものが解りました。その上で、私は貴方に頼みたい事があるのです」

「……それは?」

「そのエヴァスマムというものと戦うには、混乱化する人たちをまとめる者がどうしても必要になります。

 私はその上で、貴方にそれを頼みたいのです。

 これは戦った最中に私が感じた疑問の答え。私は貴方を討つ為にここに来ましたが、例え討ったとしても、その後に起こる事に対処できなければ意味がありません。

 貴方一人に負担と苦労を背負わせはしません。私も一緒に背負い、戦います。」


「……断ると言えば」


「心から協力するまで尽力をつくします。あなたが道を踏み間違え、危機に陥れば、その度に貴方を止めに入っては向き合い、共に歩んで行きます。それが私の覚悟とケジメです」 


「………ふっ」



 距離を取ってランスソッドはアグラヴェインへ向けて突斬槍剣(アロンダイト)を向けてから顔に剣を掲げた。

 国の統治で疲弊しどこかすさんでいた自分がほんの少しだけ吹き飛んだ。だが…… 


「……それがお前の意思(おもい)か。思えばお前に打ち明ければここまで思い詰めずに済んだかもしれん」

「それについては私も同じです。実を言うと、貴方をあの時遊びに誘っておけばよかったと現在(いま)改めて後悔してます」

「………ふっ。……だな」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 反撃が開始し(はじまっ)て数時間。攻撃を搔い潜りながら攻撃しているが、無尽蔵の再生能力を秘めたミレニロスに持久戦を強いられ徐々に体力も魔力が消耗していく。

 パーフェクト・ゼロの影響下にいる以上ほんの一度でも弱ればすぐに漂白してしまう。故に緊張と切迫が同時に迫る状況だ。


「ディションスラッシュ!」

灼炎身撃(フェルヘイク)!」



 風の刃が時空を斬り裂きながら駆け抜け、それに続いて紅蓮に強く燃え盛る拳がミレニロスに直撃した。

 刃によって傷つけられたその身に炎が追撃するが、それに負けじと純白の力は対抗し押し返し、即座に完治する。


覇気之打撃(スプリューム・ブロー)!」

「トゥゲスリク!」


 赤、青、緑、茶、水、黄の六色に輝きを放つ六元素の力を強くたぎらせた拳に白黒色の螺旋をした二つの攻撃が同時に直撃してミレニロスに大ダメージを与えた。

 ″痛み″に対する表情を見せ。あっという間に完治する身体が再生しきっておらず、ほんの数秒だけ遅延が生じたんだ。



「やはりコイツに(コア)がない以上、一つも残さず消滅させるしかないな」



 何度か攻撃を与えて。そして大ダメージを与えれたおかげでミレニロスについてだいたい分かった。

 急所はなく、いくら攻撃してもまったくの無駄で、そもそも弱点となる箇所(ところ)がほんの少ししかない。

 『ケテル』とかいう力でこんなバケモノになったと聞いて、それを中心にしているのかと思ったがそうではないようだ。おそらくケテルそのものがミレニロスに化しているんじゃないかと(うたが)っている。


「バケモノでも、痛みの仕草を見せたってことは――」

「少なくとも、勝てるという訳です!」



 アナの力が鎧の神器を介して全ての神器と間接的に(・・・・)繋がっている為、この場にいる全員は力が莫大に増幅、強化される。“意思”の強さで決まり無限に強くなりその分肉体に負荷がかかるが、神器の再生力で緩和されるため気にする必要ない。



「プラティナム・フィールド」

「スパイラルバースト!」

「トゥゲスリク!」

「クリムゾンブラスト!」

「ドラグカリバー」


 盾の神器(アルクリドス)の白い光が全員を強化し。

 黄金に螺旋状にビリビリと力強く放たれた砲撃、光と闇の合体魔法。赫緋(あかしび)に燃え盛る鳥の形をした弓矢に触れるものを切り裂く風のブレス。

 一斉に放たれて、ミレニロスに直撃した。


「――――ッ!」

「ーーっ!」


 純白のオーラが強大となって解き放たれ、間一髪間に合えて守れた。

 白い大波に飲み込まれ、干渉的に全員の力に精神といったあらゆるものを漂白していく。


「―― …… ―ぁ! ……ぁ、アケノ、さん」

「ょ…よか…た エレンさん」


 アナはエレンの手を掴んだことで二人は安心して意識が安定して影響を和らげた。消滅していく中で咄嗟に出した行動で、無意識にとったのだ。


「....守り手である貴方が怖気づいてどうするんですか」

「....!....」

「....」


 ビクビクと心身震えながら盾を展開していたアルトスに対してマナはそう言葉をかけてアルトスの手を優しく握った。

 マナの手の温もりに触れて今にでも消えそうだった。マナは神器に染み付いたオリジナルの記憶に意志を元にしたオカルト的存在そのもの。ミレニロスとその力が聖水で、マナがアンデットと例えば、天敵でしかないからだ。


「おっと。『私はとっくに死んでるから』は言いませんよ。

 マナがなんであれ、マナは自分にできることをやって最後まで信念を貫き通すだけです。それが例え、終わった後だとしても(・・・・・・・・・・)

「............」


 安堵した直後に体から光が同時に強く輝きを発し、それに呼応してベリアルも赤く光が輝いた。

 輝きが一気に強くなっていきながら溶け合って更に強大に膨れ上がっていった。


「――っ!」


「なっ! ――なんだこれは!?」

「……….......」



 ルガリアが張った結界を突き破って虹色の光が世界中に広がっていく。

 あまりにも綺麗な輝きを発する光に生きるものすべてが見とれてしまい、殆どの者は神々しさを感じていた。


 全身を覆う白銀に輝く鎧。金色の光の翼。そして右手に持つ剣神器に左手に持った杖の神器。

 光が少しずつ止んでいくと同時に人の姿をしたそれ(・・)は、その勇姿(すがた)を現した。

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