第71話 たぎる命
「なぜ戻ってきた! アルトス!」
ファルシオンの窮地を救ったのは白亜に輝く光の盾。そしてそれができる人は一人しかいない。
あらゆるものから全て守ることを秘めし盾の神器。とそれと一心同体の兄弟にして、二人にとってのかけがえなのない息子。アルトスだ。
「....父さんたちも生きて欲しいから」
「はあ? どういう意味だ! ちゃんと答えやがれ!」
「この戦いと超厄災も! 私と一緒に生きたまま乗り越える!
だからこそ、私たちはここに来た」
オレンジ色に輝き光を発する全身を覆っている神々しい鎧。それは一人の神しか知らない第一の神器。
だが、二人が注目しているのはそれではなく。赤、青、緑、白、と全ての神器がいつもとは比べものにならない程に強く力をたぎらせていたことだ。
「お前ら……その姿は!」
「目的が何であれ。志が同じ者同士が神器を介して更に強大により輝きをたぎらせているんだ」
二人の背後に杖を片手に持った虹色の瞳をした銀髪の青年。シロウがいた。
空中で木の杖を強く突き立ててこの場の修復作業をおこないながら二人に話しかけた。
「おまえ…! いつからそこに..…」
「はなしは後だ。まだ聖戦は終わってない。
この戦いはアルビンがボクたちを試すためのものだ。事態を完全に解決できない以上、ボクたちに勝利はない。
だからこそ、ボクは君たちに頼みたいことがある」
「んなことは言ったって。アレはアイツらに任せるしかないとして、オレ達になにをしろというんだ?」
「要点だけ伝えられてほんの一ミリも説明してないところは後で詰めるとして、今はすべきことに専念して、兄さん。
一秒も時間が惜しいのは確かだから……」
「要約してくれてありがとう、ファルシオン。
時間が惜しい。今から君たちにしてほしい事を伝える」
「あなたが言う事は答えだけを唐突に突き渡しただけでほんの少ししか伝わってないんですよ。後でオリジナルもまとめて私らの説教は受けてくださいよ」
「……善処するよ」
ルガリアはシロウと共にその場に残って、ファルシオンは目的地に向けてまっすぐ飛んで行った。
ルガリアとシロウのやるべきことは『現場の拡大防止と修復』。
異世界の土台はオリジナルのシロウが守っているが、地上が壊れてたりどうしようもなくなって意味がない。
“帰る場所″が失われたら滅ぶしかないからだ。
「防守の理発動!」
ルガリア全身が光り輝き、半径何千万を白い光が覆ってドームが形成された。
使用者の“意志″によって強度は左右され、ありとあらゆるものから守り抜くルガリアの絶対防御の権能。パーフェクト・ゼロが一度であらゆるものに影響を及ぼしてしまう以上、まずはそれを防がなければならない。
宇宙や次元に穴が開いてブラックホールやが起きれば収集がつかなくなるからだ。
「……これは骨が折れるな」
空中で杖を突きたててシロウは世界の修復作業を行っている。
次元壁と時空が大分損傷を受けていて完全に修復するには結構手間がかかる。しかもそれを終えたら今度は『対超厄災』の対抗用のシステムを組み直さなければいけない。
世界の外側を管理できるのはシロウしかいない。後何人か助っ人で分身を何人か欲しいが、オリジナルに彼らが必死になって頑張っている以上弱音を吐くことはできない。それが彼らと自分に泥を塗るからだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アナに宿る力がそれぞれの神器と連帯していることで更に強大と化していて、神器を手にしている者たちの気迫がパーフェクト・ゼロにぶつかって調和している。故に影響を気にせず戦うことができる。
「灼炎身撃!」
炎の翼でまっすぐ飛んで向かい、燃え盛り強くたぎっている火炎の拳でぶん殴った。
権能の力が最も強く緩和が効きづらい箇所。ミレニロス自身に直接攻撃したがベリアルは何も受けておらず、火炎も力も少ししか漂白することができなかった。
「アイツに触れれば受けてしまうんじゃないかと思っていたが、どうやらその心配はないようだな.......」
「…それは少し違います」
「……どういうことだ? アルトス」
「私たちは影響下にいる以上少なくとも受けているけど、私たちが無事でいるのは。
『負けない』『絶対に勝つ』と強く意識しているから。
だから、私たちの誰かが弱気になると一気にやられる」
「――っ! だからベリアルは、アイツに直接攻撃しても平気たったのか!」
要は『強く自分を保てばいい』訳だな。ミレニロスの能力の強さを理解してたからオレはそれにビビッてた。
オレが無事でいるのは杖の神器のおかげだと思っていたが、まずはそれを改めなければならないようだ。
「上級電魔法!」
杖の先端より放たれた青々とギラギラ輝く強い雷撃がミレニロスに直撃した。




