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アークブレイヴ  作者: 暁辰巳
第4章 魔動機文明帝国ゴレス
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第53話 最強と怒り


「初めてですよ。この私が手も足も出ない敵は」

「力に過信せず己を鍛え磨いているようだが、相手が悪かったな」



 金髪にムッキムキの身体をした青年。ガウェイン・デュームはパーシヴァルに一撃も与えられず苦戦していた。攻撃は全て避けるか防いだ直後にしょっちゅう無駄のない攻撃を畳みかけられているんだ。

 ガウェインは無限の力と生命力が常に満ちあふれていその度瞬時に全回復(ぜんかい)していた。


 戦闘の才能を持って生まれたパーシヴァルは反射神経と直感が秀でていてタイマンにおいて右に出る者はいない。

 作戦会議でガウェインを迎え撃つことを決めたため、彼はこうして戦っている。



「いくらランスソッド以上の実力を持ったあなたといえ、私に対抗できる力や技はどうやら持っていない。違いますか?」

「ああその通りだ。オレにお前らを倒す“もの“は持っていねえ以上、お前に負けるのは時間の問題だ」



 つい予想外の事態と敵に翻弄(ほんろう)されたが、ふと我に返れたことで疑問に思い至れました。

 いくらバケモノじみた強敵とはいえ、ナゼ私を倒さないのか?いや、倒せないのだと。

 でなければ私をとっくに倒しているでしょうが、コイツはそうしなかった。


「シリウスなだけあって優秀だなお前は」

「当たり前です。自身の力や才能にうぬぼれているだけでは、シリウスになるなの。夢のまた夢ですから」


 ガウェインから黄金に燃え輝く炎の六翼が出現し、全身からまばゆい光がひかりだした。

「認めたくないですが例え全力を開放したとしれも、この敵に勝つことができない」とガウェインは心の中で思い、倒せるうちに倒す為聖族としての姿を開放した。



















「この時を待っていたぞ。トリスタン」


「それはこっちのセリフです。ようやく姿を現してどんな悪足掻きをするかと思えば、よくここまで派手にやってくれましたね」


 作戦が「第2フェーズ」と入ったことで各者たちがシリウスという「大将」を叩く段階となった為姿を現したんだ。

 トリスタンと戦うことにガルナが名乗り出て可決した為こうして戦っている。


「お前たちがマギアとかいうおもちゃを大量に持ってきたからこうなったんだ。どうだ? 自分たちのおもちゃで派手に荒らされた気分は?」


「腹立たしいですがぐうの音も出ませんね。おまけにあなた達の“頭“を潰す為にランスソッドを送ったものも見切りをつけて裏切ったようですし、こういうのを因果応報というんでしょうね。

 ですがそれはそれです。いくらお前がほざこうが、どの道お前らは――」


「――っ!!?」


 刹那(せつな)、ガルナはトリスタンのおぞましさ(・・・・・)を感じ取り身震いがしたがすぐに戦闘態勢へ入った。

 トリスタンの全身から黒く禍々しい殺気と憎悪が出た以上、ここからが戦いになるからだ。



「オワルコト二カワリネエンダカラナァッ!」



 そうおぞましい声で放たれたのは漆黒の憎悪と憤怒が籠った【矢】。ガルナはその攻撃を躱した。本能的な恐怖と「当たったらいけない」と直感的にそう感じたからだ。


 どういうことだこれは!? と驚き戸惑いながらガルナはトリスタンの攻撃を躱していく。

 ジャンルという悪魔とランスソッドからシリウスは「聖族」という光の力を秘めた聖なる種族だと分かったが、トリスタンはそれとは全く正反対のものを秘めていた。

 


「―っ! 化身術【光身(こうしん)】!」



 呼吸をしたのちガルナの気そのものが【光】に変換した。

 憎悪と怒りに満ちたあれを“聖なる存在″とは思えないし感じない以上、悪魔と同じで光が有効であることが確かだからだ。



「忌々シイ害物ガア。 死ネ! 砕ケロ! キエロォ! キエロォ!」



 漆黒に燃え上がる矢がミニガンの如く大雨のように無尽蔵に発射されていく。

 ガルナはまっすぐ突っ込み、一撃一撃が強力な矢を激突によって粉砕しながらトリスタンへ接近していく。それはまるで暗い夜空に突如出現した流星。

 時より破壊しきれなかった矢が身体に当たってダメージを負いもしたがガルナは痛くも痒くもないどころか、むしろ清々しいんだ。

 無論トリスタンに対しての怒りは多少あるが、不穏なものと化したトリスタンにビビった自分を恥も悔やみもせず、ただ「倒す」という意気込みで戦っていた。



「今度はこっちの一撃を受けてもらうぞ! トリスタアアアンッ!」



 物語のヒーローのような姿勢となって右手に込められた光と力の一撃がトリスタンの顔面に直撃した。

 漆黒の禍々しい邪気と光々しい覇気がぶつかり合ってひずみと共に衝撃波が発生している。

 

 衝撃波によってよって両者は後方(うしろ)へ吹っ飛んだ。



「いててて――お前…その姿は(・・)!?」


「.......ああ。どうやら化けの皮が剥がされましたか.......」

「ーーーーーー」


 ガルナ異形の容姿をしたトリスタンが目に写り絶句し、自身の姿を確認したトリスタンは呟いたもの以外の言葉が出なかった。

 トリスタンの容姿は紛れもない魔族そのもの(・・・・・・)。正確に言えば少し違うが、魔族を誰よりも憎み、嫌悪していた者が自分と同じ魔族だったという事実がガルナにとって衝撃的だったのだ。



「私はかつて、魔族ども(おまえら)が作った地獄に生み出された被害者の一人。人と魔族を半分ぶつ持って生まれた私は。人からも魔族からも忌み嫌われ、あの血と力しかない理不尽に耐えるしかなかった」


「ーーーー」


 ルガリア大陸はかつて魔王と魔王軍によって支配されていた殺戮と隷属の時代にトリスタンは生まれた。人々が魔族に決起した時期にアルビンと出会い力を手にしたんだ。

 いわば、最初のシリウスはトリスタンでもある。



「それが魔族(私たち)を憎む理由か!」


「そうだ! お前らがいなければ。私もイゾルデも、あんな苦しい思いをせずに済んだんだ!」


「.......」



 ガルナの脳裏にイオクを殴りに殴り続けた自分とイオクの言葉がちらついた。

 認めたくないが、トリスタンは自分と同じだった。大切な人を傷つけられ、自身も苦しんだことに対する怒りに染まっていた自分と。

 同胞(私たち)もシリウス……人間に苦しめられたとはいえトリスタン程の苦しみを味わっていない。だからトリスタンが体験した地獄は想像できない。


光照拳(こうしょうけん)!」

「――っ!」


 だがだからといってトリスタンの怒りとシリウスのやったことや目的を認めることも許す訳にはいかない。

 

「何ですか、その生ぬるいパンチは? さっき私に浴びせたあの一撃は何処に行ったんだ」

 

光身の効力(ちから)が弱ったのはトリスタンの過去に同情して動揺したからだろう。自分の力と魂を変化させる『化身術(けしんじゅつ)』は自身の心境を安定していなきゃいけないからだ。


「そう....なら望み通りもう一度パンチをお見舞いしてあげるは!」


 勢いを取り戻したガルナの光照拳の輝きが強く光り、トリスタンに連続でパンチを浴びせていく。


 確かに我らが受けるべき咎はあるのだろう。それは事が済んだ後に受け入れる。



「っ!ーーど...どういうことだ、これは!?」」


「忘れていましたが、お前らがいくら足掻こうが絶対に勝てない訳はこれです(・・・・)



 ものすごい高熱と強力な力を感知したガルナはすぐに退避したことで無事に済んだが、空上ではありえない光景となっていた。

 数百数千のガウェインたちが流星のように次々と飛来してきたのだ。


「くっふふふふふ。ふはははははははははは! 分かってはいましたが実際に間近で見ると凄いものですねぇ、これは!」


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