第44話 誓不理補完
気がついたとき、周りは見知らぬ光景となっていた。
“世界終末“景色そのもので、今にもどす黒い渦の宙に波が押してあっという間に飲み込まれる。
「.......あれが、厄災!」
初めて目にしたのに初めて見た気がしなかった。遥か昔にこの光景と惨状を目の当たりにして実感した“感覚“が確かにあったからだ。
4つの神器には使用者の記憶や経験などの情報が蓄積される。今私がこの夢を見ていてこれを厄災だと分かったのは、4つの神器を使った以外に他ならない。
シロウの世界内限定で生み出された神器は全て地上のと同じに設定されて出現した。
「..............。――まてよ!」
厄災はどんなものも分解して吸収し増幅していく極限災害嵐だ。手遅れになる前に跡形無く破壊するしかない。
だが厄災はどんな攻撃も“迎え喰う″以上全てが水の泡と化す。
とはいえこれは過去の記憶だ。
完全に倒せなくても現状封印されたからには、一度どうしようもない理不尽に“勝った“ということだ。
そうでなければこうして私は生まれてない。
「ーーあの姿っ! 一人....いや、四人!?」
白銀に輝く鎧の神器を全身にまとって、背中に炎と光の四翼。そして両手に翡翠色と瑠璃色が合わさった大剣を握った人が厄災の根幹である人型のピクトグラムに対峙するように空中に浮かんでいた。
どこからどう見てもどう見ても一人だが3人の気配を感じて、完全に合体している。
神器は『全てを一つに集結させる』をコンセプトに作られた。
誰にも長所と短所があってお互いがお互いにカバーし合っていくように、
3本の矢ならぬ結束の矢として、どんなものにも対抗する究極の矛盾そのものだ。
「ーー今のはっ!?」
大剣と厄災が激突してから少しまでしか見られなかった。
精神体として過去の出来事をただ観覧してたのにも関わらず、
激突によって起きた衝撃に私は巻き込まれた事で私は強制目覚めさせられた。
神器による影響なのか、私自身にめちゃめちゃの痛覚が走った。
「おいっ。大丈夫かアルトスッ!
大丈夫だよな? どこも悪くないよな!?」
目を覚ました瞬間にルガリアがものすごく心配な様子で私にずっと語りかける。
「父さん...」
「シロウの野郎の力で出現させたものだ!
まだまだ沢山あるから、慌てずゆっくり食べるんだ。いいな!」
「兄さん。
アルトスが目を覚まして嬉しいのは私も分かるけど、一旦落ち着いて」
ファルシオンがルガリアの首元の服を掴んで引き離した。
少ししてなんで私が気を失っているのかを思い出した。
シロウの試練が終わった私は気を静めた瞬間に倒れたんだ。
16日分の時間一切休まずずっとシロウとの戦いに専念してたから、空腹に疲労が一気に来たからだ。
「やはり厄災は、想像を絶するものだったんですね」
食事を取りながら夢で見た光景を父さんたちに話している。
シロウが用意したのはどれも日本食というもので、アナの生まれ故郷のものらしい。
ずっと戦っていたせいか、それともどれも美味しいからかは分からないけど、
一つの山丸々に用意された食事を半分食べ尽くしたのに全然食い足りない。
「聖神之全装と魔神之凌打武器を除けば、神器はそれぞれ神々の力を宿した”対厄災用“兵器です。
『全部揃えれば本当に対抗できるのか?』と僅かながらに疑問に思っていたけど。アルトスが話してくれたことが事実なら、事の“問題”は思った以上に深刻ですね」
心配性で我が強いルガリアでも私の話を聞いたのに口を言わずむしろ口が閉ざされてしまっている。
地上の神器は太陽神の力を宿した【弓】に、天神の力を宿した【剣】と海神の力を宿した【杖】の三つしかない。
にも関わらず、四つめの神器である【鎧】もあった。
力と色から月光神の力である事は間違いない。
そしてアナが宿している力と酷似している。
「....シロウっ!」
「何かなアルトス」
「詳しく話して。四つめの神器である“鎧”について」
ガイアスにしばかれながらミダチの説教を受け終えたシロウが何事もなく私の応答に即反応した。
鎧の神器のことを口に出した瞬間に父さんたちの顔色が変わった。
「勿論話すさ。ボクとしても丁度いいし、必ず皆んなにも話す予定だったからね」
「やっと話す気になったか、待ちくたびれたぞ」
「ああ本当だ。ようやくあの力について知ることができる」
「.....」
少し場が静まった後、この場にいる者全員がシロウだけに注目する中、シロウは自身だけに秘めていたことを話し出した。
「神器は最初に剣、弓、鎧、杖の4つが造られた。
そして遥か昔の厄災との戦いでルーアドは砕け散ってしまった」
鎧の神器の存在は全ての神々は知っている。
厄災から勇者を守りきって完全に消滅してしまったことを。
「だけど力の“残り香”だけはボクが持っていたから。それにボクの力を混ぜて作ったのが、アナ君に渡した力だ」
アルトスを含めて神々はずっと疑問に思っていた『なぜその力だけは異世界人しか宿せないし使えないんだ?』と。
更に言えばシロウが混ぜた力はシロウしか知らない。
強いて分かっている事は、その力が厄災打倒の必要不可欠ということだけだ。
「そしてその力も含めてこの場にいる全員にどうしても話さなきゃいけない事がある。
ここから先はボクだけが知っている“全て”で、すべての事に起因している。
きたる時が来たら絶対に話すとハナから決めていたけど、今まで隠していた事は本当にすまない。
長く、重要で重い話でもある。みんな、準備はいいかな?」
セフィスターク
白金に輝く神聖槍。
聖神専用に精神自ら作った武器で、セフィスタークが指した“方向”はどこに居てどんな位置であれ絶対にその空間と直結される羅針。
剣にも槍にもなってどんなものも刺し貫く全能の神器。
クディアート
魔神が生み出した最凶最高武器。
どんなものも切り裂き叩き潰すだけでなく、時間に干渉して意のままに操ることができる。
(ただし。クディアートに触れた際膨大な情報量に力が流れる為、最高神クラス以上の者しか扱えない)
何故この二つをシロウが持っているかというと。両者とも既に死んでいるし、どうしても必要なので拝借したから。
本来ならファルシオン&ルガリアvsドラゴニスを書いてからこの話を投稿する予定でしたが、構想が創造できずできたとしても泥試合になるのでカットしました申し訳ございません。
非力な私を許してくれ




