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アークブレイヴ  作者: 暁辰巳
第3、5章 神々編
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第43話 世界とは常に揺常である。風の向くまま、コンパスが指す先は

人は誰しも物語に惹かれる。

歴史。神話。空想。冒険譚/英雄譚。


あらゆる壁すらも超越して自分や他者に通して何かを訴えたり何をかを伝える。

どんなものであれ誰しも内容ストーリー)人物(キャラ)を通して何かを焚きつける。


そういう意味で「物語」という名のお話は良くも悪くも応用できる諸刃の剣となるが、


それは創る人。語る人。これから知る人のどちらか、あるいは両方に問題があるだけに過ぎないだけだ。



ボクの場合、他人が紡いだお話に生きる時間を見届けるのが好きだ。

それだけが現在いま)のボクの唯一の娯楽でしかないのもあるけど、


見渡した世界の景色にそこで生きる人々の姿を見るのが何より好きだから。


無論良い悪いもあるが、それは関係ない。

何せ何事にも表に裏があるし、光があれば影ができるからね。


「.......」



これはボクが思い至った″一つ″の答え。


本来は聖神セフィス)之全装ターク)魔神クディ)之凌打武器アート)を使って最善の道を模索してから実行をすべきだけど。

“これだけは”ボクの明確な目的と想いであるから『やる事』と『信念』は端から決まっている。


 アルトスとシロウは休憩を一回も挟まず熾烈な攻防戦を繰り広げている。

 お互いに武器は使わず。身体に魔法、魔力や覇気によるぶつけ合いだけで戦っている。



「16日もの間よくここまで戦ったねアルトス。嬉しいよ、君がここまで強く成長したことが」

「ありがとう。.......あの二つの神器抜きでここまで戦えるとは思ってもいなかった」

「武器が本体だと思ったのかな? 腐ってもボクも“神″の一人だ。何らかを司って世界を覗くだけだと思っていたら節穴だよ」



 聖神之全装(セフィスターク)魔神之凌打武器(クディアート)を使えばシロウはこの世界の頂点に立つ神であることは間違いない。

 最強の神であるドラゴニスに近い力を持っているであろうことは父さんたちから聞いているがまさにその通りだった。

 力は及ばなくても『実力』だけは全神々の中で最強だ。



「このまま勝負を続けたいところだけどこのままじゃ埒が明かないから思考を変えよう」



 そう言った直後にシロウの両手には白金色に輝く神々しい槍に漆黒に際立つ棍棒の形をした大剣が握り。

 アルトスの目の前には紅蓮色をした弓に瑠璃色をした美しい杖に翡翠色の装飾が施されたつるぎ。そして白銀に輝く鎧が出現した。



「さあアルトス、君はその手札を切ってボクにどう挑んで来るかな」



 最果てに位置する世界はシロウを中心に存在する楽園世界。いわばシロウにとっての天国そのものである。

 世界の創造主にして主であるシロウなら神器のコピーを幾らでも出現させることは可能だ。楽園世界内で生み出された“もの“は接触できて扱えるだけの幻に過ぎないが、再現されたものは本物と瓜二つ。



「――」

「.......」


 アルトスは少し考えたのち剣の神器と杖の神器を手に取って鎧の神器をまとい、弓の神器は内に宿した。

 白、赤、青、緑の四色のそれぞれが間を持って合わさった色となってアルトスの眼と髪を染め上げ、全身からその色の覇気(オーラ)が湧き出たつ。



 最強の神器を二つとも持ったシロウに対抗するにはこちらも全力で対抗するしかない。

 だが 聖神之全装(セフィスターク)魔神之凌打武器(クディアート)は四つの神器の力をもってしても届かない(・・・・・・・・・・)

 あの二つは聖神と魔神専用に創られた故、その能力と次元が違い過ぎる。



「――!」

「――ッ!」



 シロウの空間攻撃を剣の神器で間一髪で迎え撃てた。

 聖神之全装(セフィスターク)は【空間】と【陽】を司る聖神に創られた為、私が何処へ逃げたり隠られたりしても瞬間的に(・・・・)攻撃する事など容易い。

 つまり常に私は赤裸裸(せきらら)のまま四方八方から攻撃される状態であるも同然なため常時気を張ったまま戦わなければいけない。


 そして更に厄介なのがもう片方の魔神之凌打武器(クディアート)。【時間】と【陰】を司る魔神専用に作られた武器である為、“時間差“を思い通りに設定することができる。

「神は時間と関係がない」が、神器の力で自身や技の“動き″を強化するからはさみうちの状況だ。



―パキンッ!

パキンッ! ―パキン


「――しまっ」

「この理不尽でどうしようもないものを突破してボクの近くにまで迫ったことは見事だけど、甘いねアルトス」



 鎧の神器を身に着けていなければ大ダメージ必然だった。さっきの攻撃は現在(いま)ではない所からのもの。過去か未来のどちらか、あるいはその両方。

 現在の時空だけに注視して対応する判断をした時から既に間違っていて、そのミスをシロウは巧みに利用した。



時空の(レボリューション・)絶覇撃(トゥルート)



  白い【空間】と黒の【時間】が交差してアルトスへ襲い掛かる。

 宇宙嵐に相応する威力に受けた者に何百何千年もの時間の感覚を体験したことになり、真に受ければどんな者であれ廃人と化す絶対無慈悲。



「――! 飛翔の(スプリューム・)万撃(ストライカー)!」



 竜の翼に鳥の羽が付いた翼をした渦巻くマグマがドラゴンとなってシロウに反撃した。

 シロウが放った超特大な技は鎧の神器で受ける事を決断した。



(神器の力をこう使うとはよく思いついたね、アルトス)



 聖神之全装(セフィスターク)魔神之凌打武器(クディアート)を持ってシロウは全力で迎え撃つ。

 剣の神器には『森羅万象全てを吹き払い斬り裂く』能力を持っている為、瞬間移動して避けることができない。


 剣と弓に鎧の力を杖の神器で束ねて放ったこの技。

「四つ全部ならまだしも三つだと力不足だよ!」っと口に出したいところだが、それを上回るドキドキワクワク(想い)が心から湧いてくる。


 なら言葉は不要。何かに熱中して没頭する人のように、笑顔で楽しみながら迎え撃つ!



「アブソリュート・ディスター!」



 三つの神器は分子となって砕け散った。

『光と闇が合わさったら最強』と決まっている。

 例え4つーーいや、

 これがアルトスが全てを持った決死の一撃だとしても鼻から勝つことは決まっているのさ。



「――っ!!」

「はああああああああああああああっ!!」



 アルトスの本命はこっちだったようで、ボクはまんまと騙されたようだ。

 全身から4色のオーラがたぎっているけど、よく見るとアルトスが身にまとっているはずの鎧の神器がない(・・・・・・・)

 さっきの一撃は半分にした鎧の神器に全ての力を込めて放ったもの。アルトスの特攻をもろに受けたボクは負けた。



『見事だアルトス。本当にボクに勝つとは思ってもいなかったよ』

「ーーシロウ」



 どこからともなくシロウの声が鳴り響く。

 私が戦っていたシロウは分身。戦っていた途中で気付いた。





Q:なんで最後アルトスは特攻したんですか?


A:その方が一番威力があるから。


確かに片手だけに力を籠めるのが聡明だけど、かといって両手だと力を半分に割ることになるしムラを作ってしまうから。




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