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アークブレイヴ  作者: 暁辰巳
第三章 ガイアス大陸編
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第29話 ガイアス大陸へ

 アルトスさんとシャンバラの人たちを見送った。


 アルトスさんたちはフレイヤ火山の神殿の間を通してシロウさん達がいる世界へ行くらしい。

 フレイヤ「地脈地点」の一つで、かつてファルシオンにとってのオアシスであったからシロウさんたちがいる世界へ行きやすい。

 地脈は“一直となって繋がっていて、地脈地点は地脈から溢れる“地点″を指している。



 シロウさんの世界は地脈の下の、更にその下にあって、行くための方法は二つ。

 一つは先ほど述べた通り、地脈地点を通して向かうけど、これは絶対にできない(不可能)

 火がついた一本のマッチが大海に耐えきったまま深海の底にたどり着けというほどに無茶なはなしだ。


 二つ目はオーディー迷宮の踏破。オーディー迷宮はシロウさんの世界と繋がっている唯一の道で誰でもたどり着くことはできるそうだけど、雲を掴む程に難しい。

 まずオーディー迷宮はガイアス大陸にあって、例え迷宮を自由に行き来できても迷宮で待ち構えているものは想像を絶する。

 オーディー迷宮は一番強力な地脈地点にできているから迷宮内はあまりにも濃すぎる瘴気に満ちているみたいだから短時間いただけで命の危機に瀕してしまうし、瘴気を通して凶暴で強力かつ厄介な存在へと変貌を遂げた魔物たちに対処しなければいけないから理不尽すぎる。



 シャンバラのみんなはドラゴニス大陸に向かった。自然人(エルフ)の生まれ故郷であるテラフィスさんの森へ向かうために。

 森で起きたことをレンさんに話したら少し騒動となってしまったけど、ユイさんがレンさんの代わりに何故レンさんがエルフ(同族)を心底嫌っているのか話してくれた。



 エルフは『火』を本能的に嫌う。火は自然を破壊する象徴にして、災害の大元でもある為。

 エルフは火属性の魔法を使うことはできないそうだけど、レンさんの仲間だった一人が火の魔法が使えたことが原因で仲間たち全員から迫害されて追放らしい。


「何言ってるの? あいつは火をまき散らす害悪なのよ!」とある一人のエルフの言葉がレンさんに衝撃を与えて、この言葉をきっかけにレンさんは一人で森を出て行ったらしい。

 森を出てから少ししてユイさんと会ったそうで、レンさんがユイさんに、ユイさんがレンさんとお互いに名前を付け合ったらしい。

レンさんは今もテラフィスさんを今も尊敬しているみたいで、気をかけていたようだから森へ向かうことになった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「すっごい! わたし、本当に空を飛んでいるー!」



 ヴォークさんに乗ってガイアス大陸へ向かっている。パーシヴァルさんがガイアス大陸へ行く手段はヴォークさんに乗って向かうことだった。



「アケノさん楽しんでるなぁ。 にしても、まさか空を飛ぶことになるとはなぁ」

「風に撃たれながら進むのも気持ちがいいだろ!」

「……」


 各々が空を飛んでいることを楽しみながら感想を出していく中、ムサシさんは鞘に収めた刀を少し出して静かに下を見渡していた。“風”を斬り続けているそうで、ノーストレスに景色を堪能しているらしい。



「はしゃぐねえ。空を飛ぶのはボクも好きだからたまにやっているけど、こうして翼を伸ばしながらゆっくり飛行するのは久しぶりだね」


 ジャンルさんは自分の翼で私たちの回りを飛び回っている。ジャンルさんは“悪魔”だから翼を持っているのは突然で、私たちが空の真上まで上がったところでゲートを開けて現れたんだ。

 ヴォークさんに乗る前に「行くよ」と何度も呼んでも現れなかったから、突如現れたことに驚いたけど、事情は伝わっていたみたい。


 「用事で少し遅くなった」と述べて、今後のことに関わる事に取り組んでいたとジャンルさんはあらかた説明してくれた。



「見えてきたな、お前らの行きたかったガイアス大陸がーーん!?」

「なんだ!? この神聖で強大すぎる力は」



 虹色に輝く巨大な結界が私たちの視界に入って、全員が驚く。

 ガイアス大陸の全てを包み込んでいる結界は神々しくて、一眼見ただけで“絶壁“であると断言できる程の強固を秘めていた。


「こんな神聖で巨大な結界を魔族が張ったとは全然思えねえ。あまりにも精密で強大すぎる」

「勘違いしているようだけど、魔族だからって光属性が使えないって訳じゃないぞ。

 君の言う通り、この結界は魔族が張れるものじゃない。であれば」



「オレとしては、さっさと明野佳奈との決着をつけたいんだが、レクス」

「まあまあそうカリカリしなくないでベリアル。今回は予想以上に力を携えて来たようだから、その腕試しにね」


 少しイラついている仕草でレクスにそう尋ねるベリアル。ガイアス大陸の結界を張ったのはレクス本人である。


(さて、どう私の結界を突破するかな)



 結界を張ったのは彼女にとってちょっとしたイタズラであり、嫌がらせでもある。

「簡単にたどり着くとつまらないし、自分が何もしないのも退屈だから」という思いでレクスはガイアス大陸を包み込んだ。



「ここは拙者の【究極斬刀剣(リンドウザントウケン)】で」

「それはしなくていいムサシ。あの結界はオレが壊す」

「しかし、いくらヴォークでもあの結界を破壊しようにも傷一つもつけることは――!!」



 急に結界の真上まで飛んだヴォークさんは私たちを放り出した。


「ちょちょちょちょ!!」

「な、何を考えているんだヴォークは!」


「どっちが強いか勝負だ! ガイアス大陸の結界よぉ―!」



 全身に灼熱の火炎を纏ったままグルグル回転したままの勢いで結界に猛アタックをしかけたヴォークさん。その勇姿に某赤い龍が私の脳裏によぎったけど、ヴォークさんの全身全霊の激突は結界に僅かながらのヒビを作っていた。



破消の槍身撃スピア・ザ・ディスター

!」


 槍の形状をした黒紫色の一撃が結界に直撃した。


「か・ら・の! 破消の(ディストラクション・)バスター(波動)!」


 ジャンル渾身の二連撃が結界に炸裂していく。

 結界のヒビは更に広がっていく。


「最後の一押しはオレに任せろ!」


 パーシヴァルさんがそう言い、右手に魔力と闘気を集中して研ぎ澄ますことで“刃”を形成した。


手断刀(しゅだち)!」


 結界の頭上から振りかかった一撃が最後の決め手となって、結界は粉々に破壊された。


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