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アークブレイヴ  作者: 暁辰巳
第二章 ファルシオン
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第25話 バケモノ

 基本的にガーゴイルって竜の悪魔の一種みたいだけどアナはそれを知らない。


......いいね?

(...この感触にこの感じ。 あの時と同じ)


 人の身体にドラゴンの頭がくっついたガーゴイルみたいな姿をしたバケモノ。私がこの世界で初めて倒したあの異形の魔物とどこか同じものを感じた。


 どういうことか全然分からないけど、これだけは間違いない。


「ーはやっ!?」


 何とかバケモノの攻撃をかわしてバケモノは私の真後ろにあった一本の木とぶつかった。

 思った以上にバケモノは早かったし、私の本気の一撃を受けて短時間ですぐに再生しきったから苦戦は避けられない。



 エレンさんは私が助けたエルフの人を抱えてすぐさまその場を後にしたから遠慮なく戦える。


「木を喰ってる!?」


 バケモノは自分が当たった木をすぐさま食べ始めて、食べるスピードが早くて僅か数秒で木一本そのまま綺麗に平らげた。


 私の声に反応したバケモノは私がいる真後ろへ身体を向けて私に再び喰らいかかった。



「はあっ!」


 剣の神器を握って力をまとってすぐに迎撃した。

 すぐにシャンバラへ行こうとした直前にアルトスさんから渡された。


 バケモノを上下真っ二つ綺麗にに切り裂いた。


「ウソでしょ...」


 バケモノの上半身から下半身が生えきってバケモノの体が完全に再生された。バケモノは私の一撃を受けて平気でいたから剣の神器で斬ったというのに、まさか再生能力まで持っているなんて。


「ガアアアアア!」

「っ!!」


 バケモノの口に剣の神器を向けて身を守ったけど、バケモノが私へ襲いかかって来たときに恐怖を感じて心臓が一瞬ドキッとした。


 こうなったらバケモノを倒すには方法はただ一つ、確実に再生できないまでに細胞の一欠片も残さず一気に破壊するしかない。

 アルトスさんが大魔王(ベリアル)に放ったあの超強力なビーム、あれしかない。


 神器には使用者の記憶や経験などの情報が蓄積されて、第二者〜第三者へと情報が行き渡る性質がある。

 要するに、私は第二者(アルトスさん)と合心している。


 あの時の超強力なビームを放つ為にはかなり壮大な魔力が当然必要となる。万全な状態の私でもほんの一部にしか満たせないけど、ないなら他所から獲ればいいだけ。


 世界中は魔因片(マナ)と呼ばれる、魔力そのもの欠片欠片どこもかもで溢れている。

 あの時アルトスさんは神殿の間に満ちていた魔因片(マナ)をヤイバに少しずつ集めて貯めていって放った。



「ガアアアアア!」

「あっぶな!」


 剣の神器に魔力が満ちるまで、私はバケモノの攻撃をただひたすらに耐えて避け続けるしかない。

 剣の神器に少しでも噛まれれば折角貯めた魔因片(マナ)が放出して無駄にしてしまうし、もしかしたら噛んだところから通して魔力を吸って喰らってしまうこともあるから。



「ガアアアアアアアア!」


 バケモノは“喰らいつく”以外の攻撃はしてこないし理性も知恵もないから対処しやすいけど、気を緩んでしまうとバケモノに一撃で深傷を負いかねない。

 だけど剣の神器は使用者に風と同等の速さをもたらす。だからバケモノの攻撃は問題なく対処できる。



 バケモノの猪突猛進を軽々とかわし続けた。背中の翼は飾りではなかったみたいで、私が空中へジャンプした直後に飛行して私に向かって来たりもしたけど、今の私からすれば遅い。

 手に剣の神器を持ったまま魔力がどれくらい溜まったかを常に気を配りながら対処しているけど、思った以上に簡単だった。



あまねく天の(ドラゴニス・)息砲哮(ディレス)!」


 翡翠色をした強大な力が剣先から砲射された。ビームはものすごい勢いでバケモノを完全に消滅させ、森を一直線に突き抜けて山と地上の境目に直撃して大きなクレーターができてしまった。

 


「す、......すご...すぎ、で...しょ」


 バケモノを確実に倒す為に溜めに溜め続けたからその威力は凄まじくて爆大なのは分かっていたけど、まさかこれほどとは。


 あれほど強大なビームを撃った反動とバケモノを倒せて一安心したので私は倒れた。

 剣の神器を持ったままバケモノの攻撃をかわすのにめっちゃくちゃ体力を使って身体を動かしまくったから、私はもうヘトヘト。

 立つどころか身体をほんのちょっとも動かすこともできない。

 


「お前がエレンやレンが言っていたアケノカナか?」

「あ、あな...た...は?」

「バケモノからレンを助けてくれて感謝する。私はアンタを迎えに行くようユイに頼まれてここへ来た」


 

 私はおんぶされてエレンさんがいるところまで運んでもらった。

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