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アークブレイヴ  作者: 暁辰巳
第二章 ファルシオン
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第18話 神殿に神器とその3

「次はお前が相手か」と大魔王がそう言い、私はゆっくり歩いてベリアルの前に来た。


「お前はただの人間のようだが、お前から発する力はどこか異質だな」

「あいにくなことに、私自身もこの力について詳しく把握していないからね」

「そうか」



 お互いにそう言葉を交終えて、勝負の幕が切って落とされた。


 アルトスさんより早い神速(スピード)でベリアルに迫って斬りかかったけど、ベリアルはいともたやすく私の剣撃を防いだ。ただ今回は素手で受け止めたのではなく、火炎を手にまとって防いだんだ。

 アルトスさんとの戦いで油断して深手を負ったからか、もしくは私の力を見て何か感じたからか。いや、その両方だと思うけど、細かいことは一旦置いておこう。


 追撃に左手で殴ったり片足で一発一発畳みかけたけど、どれもベリアルに防がれて私は後方へ下がって一旦体制を立て直す。


「ギガブェレイ!」



 ベリアルの左手に握られている弓の神器には魔力が蓄えられていた。私は後方に下がったタイミングを見計らって攻撃したのは分かった。

 私はベリアルが放った魔法を避けてまっすぐベリアルに向かった。私の後ろには戦いをじっと見守っているエレンさんとフェルバスさんがいて、本来なら仲間の為に防ぐところだけど、私は迷わずベリアルに向かってまっすぐ進んだ。


 弓の神器によって強力かつ早く放たれたギガブェレイを防ぐとなればそう簡単なことではない。が、私達には炎の大精霊(フェルバス)さんがついているし、例えフェルバスさんが見方じゃなかったとしても、私達は信頼し合っている。


「悪いなフェルバス。お前の役目を奪ってしまって悪いが、この攻撃はオレに任せてくれ」

「好きにするといい」

「では遠慮なく。 氷結風魔法(ティエシュブォス)!」


 風と氷結属性の合体魔法。この世界の混合魔法は片方づつ違う属性の魔法を生成して統合して使うのが本来の使い方だが、エレンは両手に冬の吹雪のように、よりも寒いものをイメージして放った。

 両手で抑えてから分裂させて防いだ。



「見事」

「よそ見してると痛い目を見るよ!」

「オレがよそ見程度でやられると思っていたのか」


 再び私の剣撃をベリアルは防いだ。右手に握っている弓の神器を盾代わりに使って防いだ。


灼炎身撃(フェルへイク)!」

「はああああああ!」


 剣の神器を利用してベリアルの目の前にすぐに迫った。私の追撃を予測していたベリアルはさっきアルトスさんをやった技で私を迎え撃った。

 

 暑い!暑すぎる! 本来だったら私の右手は焼き焦げていただろうけど、私とベリアルの勇者の(オーラ)がぶつかり合っている為か、それとも剣の神器の風圧によって火炎を吹き飛ばしている為か、かなりの暑さだけが私の右手を襲っている。

 ベリアルが私の攻撃を迎え撃つのは分かっていて、ほぼ私の行動を予測できる以上、突破するには正面突破しかない。要するにごり押しだ。



「ー何っ!?」


 賭けは私が勝ったようで、ベリアルの手が砕け散って私の拳がベリアルを直撃しつかさず斬撃をたたみかけ、ベリアルを真っ二つに叩き斬った。

 

「す、すげえ……」



 息が荒く、身体中のあちこちにかなり負担をかけたからめちゃくちゃ痛い。ただでさえ慣れない動きを名一杯ふるに動かし過ぎたからそりゃあこうなるよね。

 手足を動かすように自然と動いていたけど、自分で動かした気がしないから今一パッとしない。けど力も性能も段違いになっていたから悪くない。


「……マジかよ」



 ベリアルの身体が砕け散ったのはこの眼ではっきり見たし、気も完全に消失したのも確認したから、大魔王(ベリアル)を完全に倒したと私達はそう確信していた。

 体が粉微塵となっても弓の神器の効果(能力)は絶大のようだったそうで、神器の(性能)は私たちの――いや、私とエレンさんの想定以上だった。



「その力、ただ力が合わさっただけじゃ……ないな」



 復活したベリアルも私と同じくかなり息が荒くなっていた。身体中は完全に回復しきっているみたいだけど、あれ程の強力すぎる攻撃をもろに受けたから身体中の負担は完全に治りきっていないはず。神器さえ持っていればどんな怪我や傷は完治できるけど、それには使用者の生命力を直結して回復する以上、かなりの気力を消耗したはずだ。



「名前を聞きたい」

「明野佳奈」

「明野佳奈……。お前は――いや、お前たちは我ら魔族の脅威となる者でもなければ、悪しくはなく狂善者でもない。そうだと知った以上、お前たちを殺すどおりはなくなった」


 私達が敵じゃないとだけ分かってくれたことはまずありがたい。このまま戦いを続行するとなれば死ぬ気で何としても成し遂げてみせるけど、痛みに耐えながら無理強いに戦うのはできればしたくないから。



「だが、お前たちが我らの敵となりえる事に変わりない以上、コレをお前たちの手に渡ることだけはできん! もしコレが欲しいのなら、オレの元まで直接来て奪い取ってみせろ」



 そう言って、ベリアルは天井を突き抜けて飛んで行った。



「まさか突き抜けていくとはね」

「「あ、アルトスさん!?」」


 マグマの海に浮かぶ信じられないもの。めちゃくちゃな高温で灼熱のマグマをもろともせず自然と浮かんでいたアルトスさんに気づいた私とエレンさんは思わず慌てふためいた。



「なんで生きてるの!? っていうか、マグマに入ってて平気なの!」

「マグマに落ちた程度で私はそう簡単に死にもやられはしない」



 ベリアルの一撃をくらってしまった事でアルトスさんの身体にかなり効いたそうで、その衝撃による負荷を癒すため、温泉代わりのマグマ風呂に浸かっていたらしい。

 マグマが平気でいれるあたり、流石は究極生命体なだけある。

 マグマの温度による快感を感じてしまったことでマグマ湯に目覚めていたり目覚めていなかったり

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