第30話-5 甘い樹液がとれたー
▼登場人物
ナシ(な :異界もん
竜への生け贄としてこっちの世界から召還され、はかない命を閉じたあと竜の腹の中で再生した。成り行き上エリラの体に入っている。竜の肉を掘る力と、仲間の能力を増幅する「増幅」の異能を持つ、ちょっとHな絵師もどき。
エリラ(え :魔導師
17才らしい。蒼い瞳。ナシとともに1つの体を作る。あでやかなピンクのゴージャスヘアはナシのデザイン。4大の魔法ほか、けっこー色々つかえる。前向きでキュートな元気娘。異能は創造。
ハチ(は :妖精族
竜の中で再生していた生存者1号。明るく優しくほがらかで、スタイルもいい。ゴージャスな黄色い髪の毛。わりと天然。素直でまっすぐ。格闘技にたけ、異能は力持ち。
ミノ(み :鬼娘
第2の生存者。かわいいメガネっこで、スタイルもいいプチグラマー。おっぱいが自慢。寡黙気味。かなりの切れ者。自称空き巣。特技は指弾、異能はミニマム。縮小と巨大化の魔法を操る。
レンダ(れ :獣人
第3の生存者。蒼いロングヘアーのイケイケおねーさん。美人で、自称学者。どっかポンコツ。鼻がきく。大人の落ち着きとお色気が自慢。身体能力は高く、通常は2刀流。不死だってー。
ルルア(る :ゴーレム
4人目。落ち着いた口調、常に冷静。Hをもって全てを癒す…というコンセプトの元に作られた使命に忠実な癒しのセクサロイド。転移や治癒などの能力を持つが、その動力源はぎりぎり15禁という歩く18禁美少女。
メイ(め :驚くほど普通の子女…だったんんだけどねえ。
5番目に発掘された。赤銅色の肌に黒髪、均整のとれたプロポーション。常識人で堅いくらいのまじめなひとだった。索敵能力を持つ。異能は物理・魔法攻撃無効の(はずの)万能繭。
リム(り :ぬえ
歩く「ぬえの擬人化キャラ」明るく陽気、元気で素直。物事やヒトの本質を見抜く力に長けている。雷を落としたり凍結魔法つかったりするうえに雲に乗って空を飛ぶ。
キラ(き 魔人
魔族とは違うが強大な魔力を誇る。スタイル抜群でセンスもいい超スタイリッシュなかっこいい系おねーさん。勝ち気で物知り、思ったことは何でも言うし思ったように動く自由人。空も飛ぶよー
ラウラ(ら 竜人
8番目に発掘された。明るくて元気でわりと口も減らない。
グラビティ系の魔法が使える。空も飛ぶ。いたずら好きのやんちゃ娘。
▼かぶりつき:敵の怪物
竜の体内で、エリラ達を襲ってくるモンスター。ホメオスタシスの一環か、白血球みたいなもんっぽいが、意外と散発。犠牲者の発掘後にはほぼ必ず現れる。索敵担当のメイが「敵よ」の代わりに「かぶりつき」と連呼したとからこう呼ぶようになった。
▼アジトとゆーか、いつものフロアに戻ってきた
「はい、お風呂に水張ったから! ミノ、その3人ほーりこんじゃって」(え
「ほーい」(み
キラ、レンダ、ハチをフィギュアサイズのまま放って、空中でミニマムを解除する
ばしゃーーーん どぼーん ばっしゃーーん
「きゃーーーーーーーーーー!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「うー不覚」(き
「ご迷惑をおかけしました」(れ
「ごめんねー」(は
「はいはい じゃー今度はお湯にするからー。おふろにしよー」(え
「えー? お風呂ー? お風呂があるんですかー?」(ら
「うん。ラウラ、手伝え」(み
「じゃー、ナシくんはおやすみー」(え
ちょ、ちょっっっとまてー zzzz(な
▼みんなで浴槽につかっています
「かー、まさかスライムに泥酔効果があるなんてねー」(き
「アレは、精神攻撃と言うより、皮膚から完全に吸収というか…侵食に近いわね」(れ
「もー、びっくりしちゃったー」(は
「3人とも異常は? 乗っ取られてない?」(え
「あれは、ほとんど乗っ取られていましたねー」(ら
「面目ない」(き
「ねえ、ハチのオーラやキラのツルツルオーラで防げないって、ありなの? 原理的にはありえないはずよ」(れ
「オーラそのものが意識の延長だからね。つい、ただのスライム、なんて思ってると、やっぱりちょっとね」(き
「あたしもー、酸だーとか、あからさまに毒ーなんていうと最初から警戒してるから、オーラまとえば割とだいじょーぶなんだけどねー」(は
「無味無臭はこわい」(み
「ほんと。油断大敵ってこのことだわ」(き
「全然お酒の臭いしなかったですよねー しかたないですよー」(ら
「ふー でもお風呂がうれしーわー」(れ
「そうですね」(る
ちゃぷ
「砂漠で砂だらけになっっちゃったものね」(め
「でもさでもさ、ナシのライブラリーではよくあるけど、ほんとにあーゆーのっているんだねー」(り
「まー、身体が溶かされなくって良かったんじゃない~?」(え
「脳は溶かされてしまいましたが..」(る
「でも、あたしもしぶき浴びたけどなんともなかったけどなー」(え
「私も平気でしたー」(ら
「私もだ」(み
「気がついたら結構服に穴が開いてて。あたしなんて下着まで…」(め
「私もです。ノーブラでしたが」(る
「少量なら大丈夫ってことみたいね」(れ
「メイなんて、赤い木の実で酔っちゃってたけど?」(え
「スライムの組成とは違うからね。体質の問題だよ」(き
「赤い木の実?」(ら
「あ、私まだ少し持ってるから、あとで分けてあげるわ」(め
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ふー。とにかくすっきりしたー! ありがとエリラ、ミノ、みんな!」(き
「昨日傷をつけた木、見に行きましょうか?」(れ
「あ、そーだねー」(は
「みんなー、タオルだけでいいー? 下着だけ着けるー? 一応お洋服一式出す~?」(え
「下着欲しいひと」(め
手を上げているのは、メイ、ハチ、ラウラ、リム、キラ
「じゃー、ミノとルルアはとりあえずナシッと。レンダは持ってるからー...やっぱり竜の下着は溶けなかったんだね」(え
「そうね。ふふ」(れ
「勝ち誇ってる」(め
「なんか悔しい気がします」(る
「いいなー」(ら
「ミノとルルアはとりあえずナシ。…このフレーズ、誰もつっこまないのー?」(り
本人たちが当事者じゃない(れ
あえて言えばノーパン…ミノルルアとナシくんが同義ってことぐらいかしら(め
失礼な(み
無礼です(る
あのー、ナシくんにですか?(ら
ホンキか?(み
知性を疑います(る
えーー? ひっどーい メイさーん、ひどいですよねー(ら
あたしにもってきてもらっても…(め
のーぱんならナシくんにおまかせー、ってことじゃないのー?(り
ナシはパンツも大好きだ(み
理解が不足しています。リム。うふ(る
よーするに女のカラダなら何でもいーんですね(ら
ルルア、なぐっていーぞ。アレ(み
半分はあってると思います。うふ (る
「うーん、ナシくん起こさなくてできるかな。それ!(え
それぞれの下着が手元に現れる
「すぐおよーふく着る人ー」(え
「エリラ疲れてるわね。とりあえず木を見てくるだけだから、このままでいいわ」(れ
「あたしもこれでいー」(り
「なんか言いにくいです。私は、すぐそこなのでいいですが。うふ」(る
「そうね。あたしもとりあえずこのまま」(め
「あたしもこのままでちゃちゃっと行ってきちゃう」(き
「あたしもだいじょーぶですー はちさーん、いきましょー」(る
「あたしどーしよーかなー…なんか巻いてるだけだとおっぱいこぼれちゃいそうだし…」(は
「じゃあ、ハチにはTシャツなんかでどー?」(え
「あ、ありがとー」(は
「はちー、タオルはねー、こーやって巻いて、ここを折り込んじゃうとはずれないのよ」(め
「あ、そーかー 昔は別にはだけてもあんまり恥ずかしくなかったんだけどー、なんか...」(は
「なにかあったんですかねー」(ら
「実況とか解説されるといろいろ気になるようになるのよ」(れ
「わたしはこれで問題ない」(み
「み、ミノー、やっぱりはいてった方がいーよ。はい」(え
「あ、すまない」(み
「あ、わたしには?」(る
「ルルアはいらないっていったっしょ。それに、ノーブラだったみたいだから作ってあげない!」(え
「そうですか。まあ、それならそれで別に…」(る
「わ、わかったよー はい。ちゃんとつけてね」(え
「ありがとうございます。…これ、布幅が多くないですか?」(る
「とりあえずそれでガマンしてくれる? ルルアの注文って、レースとかシースルーとか、けっこー大変なんだから」(え
「わかりました。いつもすみません。でも、やっぱり嬉しいです」(る
「靴溶かされちゃって はだしなのは、キラとレンダとハチだけだねー?」(え
「そーだな」(み
「ごめーん、助かるよー」(き
「悪いわねー」(れ
「ありがとー」(は
「いくら何でも、裸足で藪の中歩かせらんないからねー。いくら竜の血でコーティングされてるって言っても、見てて痛そーじゃん」(え
「そうね。ありがと」(れ
木立の中を、パンツをはいてるとはいえタオル巻きのおじょーさんたちがうろうろしているというのは、できることなら見学に行きたいものだ。はい、大きな声では言えないが、実は最近スリプル回避も覚えたのである。いわゆる寝たふり死んだふりというヤツだ
きこえてるよー 永眠したいかねキミわー(え
めっそーもない えっとー、おやつでも食ったほーがいーんじゃないか?(な
お気遣いありがと-。……そだね、ちょっと食べよ。みんなー、てきとーにつまみぐいしてねー(え
もーしてまーす♡(は
たべてるよー。あ、樹液がでてたら指につけてなめてみてー。苦いのにあたるとつらいから、口直し用意しとくといーよー。ある程度は香りでも判別つくけど(き
にがーーー(ら
からいな(み
味がしないわ(れ
やだ、すっぱ(め
あれー、これ、あまいよー!(は
えーほんとにー? あ、ほんとだー! ハチさんすごいー(ら
あ、こっちもあまーい!やったー!(り
こっちは…はずれみたいです(る
あ、あまいのみっけー!(き
じゃー、甘いの当たった人は引っこ抜いちゃおうか。…ほんとは、育ったところに置いとくほうがいいと思うんだけど(き
じゃあ、置いていきます。昨日、めいちゃんから布貰ったからぐるぐるまきにしておこーっと!(は
自分が巻いてるのを巻いてやってもいいんじゃないか?(み
あ、そーか それでもいーかー…わかりやすいほーがいーもんねー。Tシャツもらっといてよかったー(は
えりらー、蜜を溜める容器が欲しいんだけどー…頼めるかなー?(き
いーよ、どーゆーの?(え
こんなんでいーんじゃないか とイメージを送る(な
そーだね、せっかくだから、木の曲面に合うよーな感じで ヒモか針金で…(き
あいよー じゃいくつか出しとくから取りに来てねー。ナシくん起きてるからそのつもりでー(え
ハチはノーブラにTシャツだろうか。わくわくどきどき(な
残念でしたー ブラしてるよー♡(は
ほー、ナシはノーブラにTシャツもいいのか。エリラTシャツくれ(み
こんどねー(え
ですから、今日は探索のあいだ中、エリラのまなざしに混じって、ちらちらと私の胸もとに視線が。ウフ(る
癒しのゴーレムというのもたいへんね(れ
アレで癒やされるというのがいるのが問題じゃないかしら(め
乳の谷間を誇らしげにさらして喜んでる2人が何を言う(み
アタリは、ハチとリムとキラねー すごいなー やったじゃーん(え
へへー(は
じゃあ、外れた木は…ルルア、あとでヒールしにいこ!(え
はい。効くでしょうか?(る
やってみないとわかんないよー。でも、ナシも一緒に行くから(え
あっちの方は歩いて行くと何げに遠い。リム、運んでやってくれ(み
いーよー♡(り
じゃあ、エリラはミニマムだな(み
ありがとー(え
この格好だと、ここになりますが…(る
とタオルをいったんほどいて胸もとにいれて締め直す
苦しくないですか?(る
な、なんか久しぶりだと照れるねー(え
うわあー そこに入れちゃうんだー(ら
ナマふところと言います♡。りむ、よろしくお願いします。ウフ
樹液を溜める容器を設置しながら、そうでなかった木にヒールをかけてまわる。ちゃんと再生してくれるのが嬉しい。木についた傷がみるみるふさがっていく。夢のようだ。魔法っていーなー..。こーゆーのはあっちの世界にも欲しいものだ。案内がてら、みんなついて回っていた。メイはキラに抱っこされて慣れない空中飛行だ
ホントに甘い♡(み
ほんのちょっとの天然の甘味料でも、ちょっとなめてははしゃぐ一同。見ているだけで、疲れが吹っ飛ぶ気がしてくるのが不思議だ。
リムのおかげで移動は楽だった。それでも結構時間がかかった気がする。感覚的には、もし日があればもうとっくに日が沈んで真っ暗になった…そんな気分だろうか。
食事の頃には、ミノもエリラもみんな食べながらうとうとという感じだった。砂漠から霧の沼地、結構次々未知の出来事の連続だ。
「今日は-、メイと寝たいからあたし、運ぶねー」(り
と、寝てしまったメイを軽々と抱っこしてリムが歩いて行く
「あたしもそのへんで寝るー」(き
あくびしながら早くも翼を出して、体を包んで歩き出すキラ
「ルルア、久しぶりに一緒に寝よー」(は
「いいですよ。ハチ」(る
「ラウラ、くるか?」(み
「いーんですか? じゃあエリラさん…は、寝てますね。ナシくん、いいですか?」(ら
ああ(な
今日は誰と一緒。そんなのが嬉しい。不思議な気がするが、修学旅行のわくわくとか、お泊まり会っていうのはこんな感じか。メイはこうなるのがわかっていたのか、食事の前にエリラ/俺を呼んで、あたりに繭をおろしていた。
今日は、木の香りがいつもより生き生きしているのか…なんか木々が喜んでいる気がする。勝手なものだが、悪い気はしなかった。
<よい夢を>
結構いい夢かもしれね-。あの言葉を思い出すたびに、そう思えるのがありがてー気がした。