第6話-2 カバンを作ろう
「ねーねーどんなデザインがいい~?」(え
デザイン..形から入るんだ(な
「とーぜん! ぶかっこーなかっこ悪いのなんんてヤダ! かわいーのがいい」(え
難易度上がらねー?(な
「やる気がおこんなきゃーはじまんないよー」(え
そりゃもっともだ(な
「イメージに、つける機能も一緒に頼める? てか、お願い。空間魔法は無理なんだけど」(え
ハナから無謀っぽくね?(な
「うるさい! なにごともチャレンジだー そら、考えろ! キミのイメージ力と増幅と、私のありったけの知識をぶち込めば必ず何とかなる!」(え
わっかりましたー!(な
「うーん なるほどなるほど きたきたー …あ、それ可愛くない フタにはハートマークつけよ」(え
えっと(な
「うーん なんかカバンって概念にとらわれてるなーキミは。このあたしが持ってて可愛くなきゃー」(え
持つのは俺だと思うんだが(な
「いーの! せっかくキャラが可愛くてコスチュームも可愛いんだから、19世紀のおっさんが海外旅行にいくようなそんなダサイのは絶対ダメだー」(え
うわー …19世紀に海外旅行なんてあったかな(な
「細かいことは気にするな! どーせ知り合いのオタクのエセ知識だ」(え
それって、おれのことじゃん(な
「それよりもっとなんかこの…」(え
カートなんかどうかな?(な
「却下!」(え
いわゆるリュックのたぐいとか(な
「あ、ランドセルかわいーかも」(え
まじ?(な
「ウソ~♡」(え
じゃあ学生カバン(な
「いまいちだなー」(え
ショルダータイプ(な
「あ、それなんかいい感じかも もう一声!」(え
じゃ…ぽ、ポシェットとか(な
「それだー! それにしよー! じゃいくよー! つける機能に集中して!」(え
何色がいいかな…この服だから、やっぱり黒と赤か(な
「ピンクがいー! あ、色はこっちでやるからほっといていーよ! それよりも機能の方お願い!」(え
明日じゃだめか?(な
「そっちの昨日じゃない 機能だー」(え
知ってるよ(な
「早くやれー!」(え
できたな(な
「できたー! さいこー! さっそく見てみよう♡」(え
いそいそと肩からかけると、姿見を出すエリラ
見てみるって、こっちか?(な
「他に何かあるー? こう、かな。 わー思った通り可愛い!」(え
確かによく似合ってる(な
「戦闘時なんかには背負子にできるようにすればいーしね」(え
しょいこ?(な
「リュック形態」(え
は?(な
「一度できれば、アレンジ自在だし」(え
そーなのか? だったらこーゆー…(な
ウエストポーチをイメージする
「なーるほどー そのほうが楽ッちゃ楽だね じゃあ腰にベルトつけて、こんな感じに…」(え
ウエストまわりや、ポーチのヒモの一部が軽く光る
「じゃーん! ピクニックモードあらため、冒険者モードでどーだー? コレなら腰のどこにでもつけられるし。でもやっぱ肩からかけるほーがかわいーなー……。めんどーだ! 2つ作っちゃえ」(え
「ね、これなら、邪魔だったら腰の方にしまっちゃえばいいし」(え
予備にもなるな(な
それにしても、ほんとに杖を一降りなんでもぱっぱって感じだ
「ほんと! まほーつかいみたいだねー! …でも、やってるほーは意外と大変なんだからねー」(え
ああ(な
確かに、創造の力は使うたびに息を切らしている。精神の方もだが、体の方もそれなりにどっと疲れる感じがある。
あのさ(な
「なーに?」(え
機能の方の確認したいんだが..(な
「あ、忘れてた」(え
ふ~~~~(ためいき)(な
「いやー悪い悪い ついねー」(え
とりあえずこのへんの小さいヤツから(な
昨日の食べ残しから、骨のカケラを拾ってくる。
「? 慎重だねー それくらいならフツーに入るじゃん」(え
中、めっちゃ広く亜空間ふうにイメージしたから、うまく出せるかどうか…(な
「そっか、手を入れたら先がどっかいっちゃったーなんて笑えないねー」(え
とゆーわけで、入れて逆さにしてみる(な
ころ
「でたー! とりあえず出し入れできる! じゃあ、ちょっと大きめのこの野菜」(え
…入り口がこのサイズで入るのか?(な
「あ、入った」(え
…うそだろ(な
「へー、あたし意外とやるじゃーん! じゃ」(え
おい、手…(当たり前のようにポーチに手をつっこむエリラ)
「じゃーん! とれましたー!」(え
手がとれたのかと思ったじゃねーかばかやろう…。最初の警戒はなんだったんだ ていうか、もう忘れてるな(な
「よーし、ちょっっとそのへんのもの、手当たり次第入れてみよう」(え
…中で融合したりしないよな(な
「ちょっとー、変なこと考えるのやめてくれるー? うん、大丈夫そう」(え
…融合するのに時間がかかるとか(な
「はあ ほんっとに心配性だなキミはー そんなこと機能のイメージにはいれなかったんでしょ?」(え
そ、そりゃあ、そんときは思いつきもしなかった(な
「だったらだいじょーぶ! もっと自分を信じなきゃ! …あたしのこともね! ほら、あんなに入れたのにちっとも重くないし。キミ、さすがだねー」(え
それからしばらくのあいだ、いろんなものを使って実験を繰り返した。というより、新しいおもちゃで遊んでいるようなものだったが。
「よし! いけそうだー! これで旅の準備が整ったね!」(え
中に食いもんつめてからな(な
「そーだった! じゃ、とりあえず出発はあした!」(え
ああ(な
「…ねえ、この中入れるかな?」(え
それはやめといたほうが(な
「……………そだね」(え
ほ やりかねないからな、こいつは(な
「なんかいったー? 食事にしよー!」(え
「…はむ…あー、忘れてた! おうちどーしよ」(え
おいてけば?(な
「そーじゃない! 旅の宿-!」(え
…行った先で簡単に作れば? 食材色々もってくし(な
あ、そか そだねー♡ 今度はどんなおうちつくろーかなー♪(え
食いながらしゃべれるって、いいな(な
そだねー。おいしーねコレ(え
思念で会話してるとにぎやかだが、竜の腹ン中に女のコがただ1人、ひとりでもくもくと食べている。絵にするとなかなか孤独なものになるだろう。目玉だけで、ひとりで、来るかどうかもわからない「仲間」を待っていたエリラはどんな思いで毎日を過ごしていたのだろう。
俺はのっけから振り回されているだけで、思えば退屈とか、不安とかは…ないといえば嘘になるが随分このコに救われていると思う。いろいろアレだが、大事にしてやらねばと思うばかりだ。
ともかく、「たった1人」でこれから竜の腹の中を探検に出ようというわけだ。後から考えてみたら、あきれかえるほど無謀なことによくもまあ踏み切ったと思う。思念体とはいえ、常に会話する相手がそばにいる、というのは随分心強いものなのだなと他人事のように思う。
…本来ならもっとわずらわしくてもおかしくないはずなんだが……
異常な状況ってゆーか、よーするに非常時っていうことだと思うよ。これ、外の普通の生活の中だったら、あたしだって耐えられないと思う(え
…だろうな。俺もだ(な
ま、なかよくしよーね(え
ああ(な
寝しなに今日はこの辺の見せてね♡(え
好きにしろ(な
実際、ひとの記憶層にどーやって入ってくるんだか、どーして見れるんだかわからねーが…
あたしの記憶も見たいー?(え
やだろ?(な
ん…ちょっとくらならいいよーな…うーん…やっぱりヤダ(え
無理すんな(な
…こーゆーのもスキルなのかな…。考えてみたら、あたしもひとのプライベートな記憶そのものにはアクセスする気ないし…だから、ナシちゃんの名前わかんないし。なのに知識部屋みたいなのは変にわかりやすくってさ。不思議っていったら、不思議なんだよねー… あー、超能力だって、何これー? うわー、マンガにアニメにゲーム? 映画に文献…サイコキネシスってゆーだけでこんなにいっぱいー(え
そっちのほーでどーゆーふーに見えてるのか…ってほーが興味あるわ(な
うわー、念動力でスカートめくってるー! エッチー(え
黙ってみろ(な
だってだって、あー、パンツ脱がしてるのまであるー 犯罪じゃないのこれ?(え
うるさいな(な
わー、ビルが崩れるー わー、飛ぶのにも使うんだー!(え
そんなに珍しいか(な
ひとしきり大騒ぎしていると思ったら、やがて静かになった。
…今私がイメージしている図形はなんでしょー?(え
あ? 透視実験のマネか? 波線2つ(な
あたりー なんでわかるのかな(え
送ったんじゃないのか?(な
ううん。…じゃーおやすみー(え
ああ、....おやすみ(な
ふー、表層にぱっと浮かべたのは通じるんだ。気をつけたほーがいーかも(え
秘密は大事にしろ(な
わあああ わ、わかってるってー! おやすみー!///(え
..ハート、って言わなくてよかったんだか言った方が良かったんだか…(な