第29話-1 17日目 渓谷の再調査-2
▼登場人物
ナシ(な :異界もん
竜への生け贄としてこっちの世界から召還され、はかない命を閉じたあと竜の腹の中で再生した。成り行き上エリラの体に入っている。竜の肉を掘る力と、仲間の能力を増幅する「増幅」の異能を持つ、ちょっとHな絵師もどき。
エリラ(え :魔導師
17才らしい。蒼い瞳。ナシとともに1つの体を作る。あでやかなピンクのゴージャスヘアはナシのデザイン。4大の魔法ほか、けっこー色々つかえる。前向きでキュートな元気娘。異能は創造。
ハチ(は :妖精族
竜の中で再生していた生存者1号。明るく優しくほがらかで、スタイルもいい。ゴージャスな黄色い髪の毛。わりと天然。素直でまっすぐ。格闘技にたけ、異能は力持ち。
ミノ(み :鬼娘
第2の生存者。かわいいメガネっこで、スタイルもいいプチグラマー。おっぱいが自慢。寡黙気味。かなりの切れ者。自称空き巣。特技は指弾、異能はミニマム。縮小と巨大化の魔法を操る。
レンダ(れ :獣人
第3の生存者。蒼いロングヘアーのイケイケおねーさん。美人で、自称学者。どっかポンコツ。鼻がきく。大人の落ち着きとお色気が自慢。身体能力は高く、通常は2刀流。不死だってー。
ルルア(る :ゴーレム
4人目。落ち着いた口調、常に冷静。Hをもって全てを癒す…というコンセプトの元に作られた使命に忠実な癒しのセクサロイド。転移や治癒などの能力を持つが、その動力源はぎりぎり15禁という歩く18禁美少女。
メイ(め :驚くほど普通の子女。
5番目に発掘された。赤銅色の肌に黒髪、均整のとれたプロポーション。感覚は鋭いが臆病。芯は強く、常識人で堅いくらいのまじめなひと。索敵能力を持つ。異能は物理・魔法攻撃無効の(はずの)万能繭。
リム(り :ぬえ
どちらかというと変異種で、いわば歩く「ぬえの擬人化キャラ」(笑)
明るく陽気、元気で素直。物事やヒトの本質を見抜く力に長けている。雷を落としたり凍結魔法つかったりするうえに雲に乗って空を飛ぶ。羅列すると万能の最高戦力のひとりだねー。
キラ(き 魔人
魔族とは違うが強大な魔力を誇る。スタイル抜群でセンスもいい超スタイリッシュなかっこいい系おねーさん。勝ち気で物知り、思ったことは何でも言うし思ったように動く自由人。
異能は収束。摩擦係数自由自在という能力をまとっているので防御も完璧。空も飛ぶよー
ラウラ(ら 竜人
8番目に発掘された。明るくて元気でわりと口も減らない。
グラビティ系の魔法が使える。空も飛ぶ。いたずら好きのやんちゃ娘。
▼かぶりつき:敵の怪物
竜の体内で、エリラ達を襲ってくるモンスター。ホメオスタシスの一環か、白血球みたいなもんっぽいが、意外と散発。犠牲者の発掘後にはほぼ必ず現れる。索敵担当のメイが「敵よ」の代わりに「かぶりつき」と連呼したとからこう呼ぶようになった。
▼渓流のほとりです
「あ、戻ってきた」(え
「あーたのしかったー!」(は
「わたしは、死ぬかと思いました...」(る
「すみませーん ついちょーしに乗っちゃって」(ら
「ルルア、大丈夫~?」(え
「はい 問題ありません」(る
「ならいいけど」(え
「次からは、ルルアはミノ、リムと一緒の方がいいかもしれないわね」(れ
「はい。その方がいいかもしれません」(る
「まるで特攻隊だな」(み
「ラウラとハチ? そーねー クスクス」(れ
「じゃー、あらためてそろそろ出発するよー。今日は探索がメインだからー、キラ、ゆっくりめに飛んでねー」(え
「わかってる。ラウラは私の前、スピード出し過ぎないように。リムはあたしの後ろで…」(き
「しんがりだな。まかせろ。いいな、リム」(み
「りょーかい! じゃー、みの、後ろ向きに乗っていーよ」(り
「そーする」(み
「ああああ、あの、えっと、それはちょっと…」(め
「わ、わたしもちょっと…」(る
「怖いか」(み
「そりゃー、進行方向の後ろ向きって、けっこーこわいよねー」(え
「エリラ、ポケットにボタン穴ついてたっけ?」(き
「ついてるよ」(え
「じゃあメイ、命綱つけよー。ルルアにも渡してやって」(き
「あ、そーするわ。…ポケットの中に潜っててもいいわよね」(め
「もちろん!」(き
「私もそうします…」(る
ひとつのことをするにも毎度手探りだ。力も性格も嗜好性も全く違うのが9人も集まれば、まあ当然か。
そのわりには、よくまとまっていると思う。
「じゃ、いこっか」(き
キラが、ばさっと翼を出した。コウモリ系の白い翼はイラストでもあんまり見た記憶がない。ちなみにミニのカクテルドレスは、黄色と赤の二種類をエリラに作って貰ったようで、今日は赤だ。白い翼に赤い反射光がオシャレに映える。
「うわー きらさんかっこいーですねー」(ら
「かっこいー! いーなー」(り
目的は空中から他の生存者の痕跡があるかどうかの捜索。氷は、舞い上がってすぐリムが解除した。解除で氷が溶けるというのがなんか不思議な気がする。
「レンダ、高さとスピード、このくらいでいい?」(き
「ええ。やっぱりナシくんの増幅はすごいわね。距離も解像度も数段アップする感じ。なんか、スローみたいにもできるわ。これなら、見落としなさそうよ。今のところ異常なし。あ、あのへんよ。ラウラがいたの」(れ
へー。そーなんですかー けっこーキレイなとこだったんですねー(ら
「きらちゃーん、先行っていー?」(は
メイ、かぶりつきは?(き
出てないわ。先に行って貰っていいんじゃない?(め
「だってー。行っててくればー?」(き
「わーい ラウラちゃん、ごー!」(は
「はいーーーーー! 飛ばしますねー」(ら
やれやれ、ホントに鉄砲玉だな(み
こどもだねー(り
きらー、ごめんねー(え
いーっていーって(笑)
あれ? 終点かなー? 滝が見えますよー(ら
じゃーそのへんにいてー。そろそろこっちもつくからー。すごい滝だねー(え
おー 地上50~60mってとこかなー あそこに降りられそうだねー(き
滝の右の方に岸辺っぽい空き地が見える。
・・・・・・・・・・・・・・・
一同が降り立つ。相変わらず岩面はみな赤黒い。それなのに木々はよく茂っている。太陽がないのに不思議だ
「なんかラウラってホントに空泳いでるみたいだねー 気持ちよさそー♡」(り
「リムちゃんもなんかかっこいー! その雲どーなってるのー?」(ら
「あとで乗せてあげるー♡」(り
「仲良しね」(れ
「なんか馬が合うんだろーねー」(え
お尻をくっつけて尻尾でハートマークをつくっている。のんきというか、のどかなシーンだ。
「あとは、あの滝の裏側だねー」(え
「あんなところにいたら、掘り出すのが大変ね」(れ
メイ、繭のシェルターを半開きとか、入り口だけ残して作っておくなんてできないか?(な
「え? あ、そうね。それができるといいかも。やってみる」(め
「それなら、持ち運びもできて便利」(み
昨日の感じとかからすると、出てくるときは一気に湧いてくる。シンドイのは、やっぱ撤退の時だな(な
「そだね。みのー、最初からバスケットおっきくしといてー」(え
「うん」(み
「しかし見事なもんね」(れ
「ほんと。この水、どこから湧いてどこに行くのかしら?」(め
帰りに、あの水が入り込んでいくところから何か流しておくといいかもな(な
「あ、じゃあ、そのへんの木、切ってくるわ」(れ
ほどよい立木を二~三本肩に担いで持ってくると、ぽいっと放り投げて板状に切り刻む。見事な腕というか、これはこれでもう芸の領域だ
芸人一座ができそうよね(れ
すとりっぷげきじょう?(り
りむはなんだってそーゆー極端な発想になるのかしらねー(き
わたしは、それは専門外です(る
やりたそうだな(み
えー? ルルアさんの脱ぎ脱ぎショーですかー? 見たいですー(う
メイ、一緒にやりますか?(る
(びく...) 遠慮するわ(め
「ねー、せっかくだからラウラの全力見てみたいなー。あの滝、めくれる?」(き
「えーー? あれですかーー? うーーーーーーん やってみますねー」(ら
こっちの方はできたわよ。シェルター。こんな感じでいい?(め
いいんじゃない?(れ
これだと、中で剣が振れない。少し大きくしよう。ミニマム…
へー、繭にも利くんだー(え
利いたな(み
アリか? 魔法完全防御なんだろ?(な
知らないよー(え
滝を前に両脚を広げて立つと、両手を前に出すラウラ。ほんとにきゃしゃなシルエットだ。尻尾がパンパンと床を叩くと、つっと先を上に向けてS字状になって止まる。なんとなく、気をつけ!の雰囲気なのが面白い。
「グラビティ・マイナス!」
水面に落ちる水回りが逆立つようにして、水が上がっていく。みるみる、水が下から遡るようにめくれて、岩盤が見えてくる。
レンダ、見えるか(な
ええ。異常はないようよ(れ
もーーだめですー(ら
1/4から1/3くらいまでいっったところで限界のようだ。じゃばあっと激しい音がして、大量の水が一気に落ちる。
はね返ってきた大量の水は、自分の周りにちっちゃくマイナスグラビティをバリヤーのようにはったのか、ほとんど浴びずにすませている。
「すみませーん」(ら
「いやー、リッパなもんだと思うよ~。すごいわー。じゃあ、今度はナシくん使ってみて」(き
「え? ナシくんですかー?」(ら
「へへー、あたしだけどねー」(え
「エリラさん…。そっか、ナシくん中で飼ってるんですもんねー」(ら
飼い犬(み
ペット(れ
居候(め
寄生虫(る
同居人だよねー(は
いっしんどーたい!(り
…あたしはいーや(き
「どこでもいーから触れてくれる?」(え
「え? どこでもいーんですか? じゃあ」(ら
「おっぱいはダメだからね!」(え
「え? なんでわかるんですか?」(ら
「お尻もダメ」(え
「ちぇー」(ら
何考えてるのかしらあのコ(れ
「いえー、こんなにぷりぷりのいいスタイルのおねーさんがこんなふーに肌さらしてうろうろしてるって、いままであんまりみたことなくってー。一度さわってみたいなー、ってゆーか、さわってもいーのかなーって」(ら
「それはわかるわ」(れ
「うん」(み
「わたしもずっとそー思っていました」(る
「肉体誇示してちょーはつするって、たのしーよねー」(り
「レンダ、なにか言うことない?」(め
「なんであたしにふるのよ。 るーるあーーー!」(れ
「なんでしょうか?」(る
「ひっ………」(め
「あれ? めいちゃんかたまってるー?」(は
おぼえてなさい まったく ぶつぶつ(め
「腕に抱きつく感じでいーのよ」(れ
「あ、そーなんだ じゃそーします えへ」♡(ら
「…いつまでそーしてるの?」(き
「へ?」(ら
「グラビティの実験でしょ」(め
「あ、あーーーーーーそーでしたー! すっかり忘れてましたー じゃー、やりますねー!」(ら
なしくん(え
ああ(な
「グラビティ・マイナス!」(ら
左手でエリラにしがみつきながら、右手を開いてつきだして叫ぶ
ぐばああー っとみるみる滝がめくれ上がり、一気に上まで行って、噴き出す水が天井に当たって四方に噴水のように降り注いだ。
「おおおー、こりゃーすごいねー」(え
「うわーーーーーーー すっっごーーーーーーーい!」(ら
「じゃああたしも!」(り
と、リムが飛んで来てエリラの反対側にしがみついた
「ひょうけつーー!」(り
あり得ないような氷のオブジェクトが出来上がる。滝壺の波や波紋もかちかちだ
「レンダー」(え
「あ、ごめんなさい。みとれちゃった……ん…岩肌...…特に異常なしよ」(れ
「じゃあ撤退ー! ラウラ、離れていーよー」(え
「あ、ああ、ごめんなさい」(ら
じーーーーっとエリラを見つめる
「すごいんですねー ナシくんさんって♡」(ら
「でたわ! かぶりつき! またいっぱい!」(め
全員繭の避難所に入ると、2人以外がバスケットに飛び込んだ。一言で言うと味気ないからたまにはていねいに語ろうか。
バスケットの高さはだいたい中に立つと腰の高さくらいに手でフチがつかめるくらい。身長差は多少あるが、まあだいたいそんな感じ。フチに片手をかけてひょいっと飛び込むのはレンダ。ロングヘアがあでやかになびく。はい、ミニです。スカートです。いい感じに脚が上がりまして、はい、今日は私、いい位置に立っておりました。
キラ、リム、ラウラはちょっと離れたところからでも、軽くジャンプしてひょいひょいひょいっとこともなげに中に降り立つ。フカンのイメージだとノミが飛び込んでいく感じで面白みがないが、しゃがんでみると、やはりキラなんかはシャープな太もものうねりはエロティックに、なびく髪はダイナミックに目に焼き付く…だろうな。実際にしゃがんでたら絶対顔の上に立たれるから、ここは実行しないでビジョンで勘弁して貰う
それでもじゅーぶんぶん殴るに値するイメージが見えたよー(き
ほんとにHなんですねー ナシくんさんて(ら
まだだ。ハチだ。彼女もひょいっとタイプなんだが、空中で両脚をたたむんです。いわゆる、一瞬正座状態っぽい格好になるのですが、ミニスカートの正座からのぞく太ももって、皆さんご存じでしょうか。さらに、これも一瞬ですが後ろアングル、お尻側も、はい、普通は床に隠れて見えないアングルで、可愛いお尻のシルエットが拝めてしまうのでございます。あんないい子をHな目で見るというのは非常に罪悪感がありますが、セクシーで可愛くて色っぽいんだからしょーがねーじゃん。
なしくーん////(は
うわあ、こっちに向いてお尻を隠す格好でふくれっつら ほっぺたも赤くして怒っています。ごめん、もうちょっとまってね。最後のメイなんです
さあ、身体能力普通の人並み、ただのお嬢様…ま、このところルルア相手に真夜中の立ち回りを演じているようだから、ただのお嬢様といったらもう失礼かもしれませんが、こーゆー腰の高さまである「壁」を前に、これを乗り越えるとなるとやっぱり普通の乙女なのでございます。
ひざ丈くらいのしなやかなスカート…まず、これをちょっとたくし上げてみます。ひょいっとまたげる高さとでも思ったのでしょう。可愛いです。高いハードルを目の当たりに、ため息をつくとフチに両手をかけました。よっとそこから片脚を上げてフチに足をかけました。スカートが長いので安心…かな。向こう側の足の太ももが見えます。これは新鮮です! そのまま、中に足を入れて…これ、「またガール」のポーズです。ご存じでしょうか。手すりというかフチに股がぎりぎり当たるかどうか、その部分は両手でフチを押さえているので見えませんが、スカートは大きくめくれて肉感的な両脚が、その普段はさらさない太ももから見事な脚線。パンツのお尻の食い込みがぎりぎり見えないくらい、後ろ側もスカートが隠していますがこーゆー脚の見え方はどうしても見ていてドキドキします。あ、ちょっと体重を中の脚に移動させましたね。おもむろにもう一方の脚を上げてフチを越えました。このフチを越えるところから越えたあとまでは、長めのスカートが仕事して特にご報告できるものはありませんが、中に入ってからめくれたところなどを直しています。こういう、さりげない自然に身だしなみを整える姿もいいものです。
ゆっくり解説させて貰う時間を頂戴した感じですが、この間、時間にして約2秒というところでしょうか。
キラの冷たいまなざしとハチとメイの怒りのまなざしがこちらに向いております。それでは避難に...(な
遅いよ(き
☆ ☆ ☆
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミニマム。 るるあ!(み
バスケごとみんな小さくなる。エリラは外だ。
はい。ナシくん、いいですね(る
あたしだよー(え
はいはい。わかっています(る
ちびエリラを胸ポケットに入れながらミノと腕を組み、バスケットを下げる。
あ、このエリアの入り口にお願い!(れ
わかってます! 転移(る
魔法絶対防御の繭でも、中からだったら転移できるんだな(な
だねー(え
外から中は見えませんが、中からは見えるのと同じ理屈ではないでしょうか(る
なるほど(な
なるほどー(え
えっとー、なるほどー...やるー?(は
やんなくていいわよ(れ
エリアの入り口、渓流の水が下に流れ込んでいるところに現れると、レンダがバスケットからひょいっと降りる。
ミニマム解除
ポシェットから大きな風呂敷包みを取り出すと、中に入った大量の木の板をそこにあけた。蒲鉾板くらいのサイズからスケートボードくらいのさまざまなサイズの板が流れていく。これなら一目で人工物とわかる。どっかに池や湖があれば、流れ着いてもおかしくない
「ミノ、アリガト」(れ
「うん。ミニマム」(み
レンダをつまみあげると自分の胸ポケットに入れるミノ
「あら、今度はココ?」(れ
「たまには。るるあ。頼む」(み
「はい♡」(る
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次回、いったん戻ってから第二の洞窟に向かいます(る
なんかルルア、締めのご挨拶気に入っちゃった?(れ
いえ、さっきメイが乗り込もうとしている時に、がんばれメイ と声をかけなかったのが悔やまれまして(る
やさしいねー(は
違うわね。あそこでずっこけたら面白かっただろうって発想じゃない?(れ
.....滅相もない(る
メイが真っ赤になってるよー。こりゃあ、今夜また荒れそうだねー(き
今夜といっても、いつのことやら…(る
3話くらい先みたいだよー(り